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僕のマミちゃん
第9章 SS メリクリ
「チキン受け取りに寄り道するから。早くっ」
放課後になると、一目散に私の手を取り、教室を飛び出した。
「待って、まだ教科書しまってないの…」
「えーっ!僕、授業終わり5分前には片付けて待機してたんだよー?戻って、早く支度しよ。マミが作ってくれたケーキが溶けたら大変だ」
「アイスじゃないから大丈夫よ?冷蔵庫にしまってきたでしょ?」
再び席に戻って、私の帰り支度す済ませ、バタバタとふたりしてチキンを買いに駅ビルへと向かう。
悟くんが事前に予約注文をしていてくれたおかげで、スムーズに買えた。
家族としかクリスマスを過ごしたことのない私はプレゼントとケーキしか頭に無かった。
「悟くん、チキン代は割り勘ね」
「あははっ、割り勘好きだなー。これは母さんからお金貰ってきたからさ、今日の夕飯のおかずにするんだって。10ピースなんてふたりじゃ食べきれないだろー?」
「そうなのね。じゃあ、ケーキもお母さん達の分を残しておかないとね」
「それは僕が全部食べちゃうかも、へへっ」
「えっ?…それなら、もう1個焼くからいいもん」
「ずるいよ。僕には無いの?」
「今日のがあるでしょ?」
「今日のも次のも、マミが作ったケーキは僕の物だよ!」
悟くんがこんなにもケーキが好きだなんて知らなかった。誕生日には大きなケーキを焼いてあげよう。