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僕のマミちゃん
第9章 SS メリクリ
「僕を見て」
スマホのカメラレンズと、目の高さを合わせた悟くんがケーキを食べている私を呼んだ。スマホに半分隠された三日月目の笑顔。
カシャッと音が鳴った。
「ほら、見て」
今撮った私のワンショット写真を見せるために、肩を寄せる悟くんの髪が、くすぐったい程に触れ合う。
「僕を見てるマミだよ。可愛いね」
そう言われて笑顔を向けられ、見つめ合う。思わず私から抱きつきたくなりそうな距離と雰囲気。
「壁紙に設定しよっと。あっ、撮った写真送るね」
すーっと姿勢を戻して、スマホをタップ。
同じ様に壁紙にしたくて、ケーキを置いてスマホに持ち替えた。共有のアルバムに入れてくれた写真を1枚づつ眺める。
ぼっちだった私が憧れの人と一緒にイベント事が出来るなんて、夢みたい……ふたりが並ぶ姿を客観的に見ることで、彼女なんだって実感する。
ツーショット写真も私にとってはプレゼント。とっても嬉しくて、スマホを操作している悟くんを見つめた。
「ん、何?やり方わからない?」
「たくさんのプレゼントをありがとう。幸せ過ぎて…ふふっ」
「…プレゼント?」
「うん。ツリーで飾りつけしてくれたり、写真撮ってくれたり」
「そのくらい普通だろ?」
「私、こういうの初めてだから…それも好きな人となんて、すごく幸せ」
「僕もマミと一緒に過ごせて幸せだよー。美味しいケーキ作ってくれて、最高の彼女だよ。けど、待って!そんなにハードル上げられたら来年がきつくなっちゃわない?まぁ、マミを喜ばす自信はあるけどね。実はねー、内緒のプレゼントがあるんだ」
ニコニコしながら立ち上がって、部屋から出て行ってしまった。