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僕のマミちゃん
第9章 SS メリクリ


『おいで』って言って貰えなくて、まだ腕の中に包まれてなかった。私から行くべき?だけど、いつものベッドに寄りかかる場所とは違う所に座ってるんだもの…

カキッカキッと音を鳴らして背もたれの角度を調節する悟くん。

「こんなもんかな?どう?」

試しに寄りかかると、少し反り返り気味の角度に調節された背もたれは、座り心地が良くなかった。

「背もたれをもう少し起こしてもらった方がいいかな?」

「このくらいでいいと思うよ」

悟くんはそう言うけれど、やっぱり体勢がつらくて背もたれから離れて姿勢を正してしまう。

「姉貴がね、この間遊びに来てさ、マミちゃんと一緒に観れば?って、DVDをくれたんだ。なんかね、サンタクロースのクレイアニメだって。観る?」

「…うん。お姉さんまで…そんな、お気遣い頂いて」

「僕が家族にマミのこと話すから、みんな会う前からマミちゃんのこと大好きになってるよ」

今朝のお母さんの対応も好意的で、お姉さんまでもが私に良くしてくれるなんて…クラスで人気者の優しい悟くんが育ってきた家族環境がありありと目に浮かぶ。

「こっちの方がテレビが見やすいんじゃない?」

私ごと座椅子を引きずり、ベッドサイドに位置をずらしてくれた。その隣は悟くんの定位置。

ゲーム機にDVDをセットしてアニメーションをスタートさせた悟くんは、コントローラーを床に置くとその場に腰をおろしてしまった。

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