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僕のマミちゃん
第4章 count 4


「おーい、塚崎さーん。霧野の隣においでよー」

突然、私にお呼びがかかった。クラスメイトの視線が突き刺さる…
そ、そんな恐ろしいこと言わないで下さい。は、恥ずかしくて、行けるわけないじゃないですか…偶然にも読んでいた文中にある『逃走』という漢字を凝視する。
無視は良くない。クラスメイトだもの、何か返事を返さなくては…焦るばかりの私は『逃走』から益々目が離せなくなる。
どうしよう……

「新しい本、持ってきたよ。それからこっちは借りてた本」

机の上に本が2冊…いつの間にか橋尾さんが私の横に立っている。まるで悟くん達の視線を妨げるような立ち位置で。

「あ、うん」

本に手を伸ばすと同時に悟くんの声が聞こえた。

「窓際の席で背筋を伸ばして本を読んでる姿が綺麗でしょ?遠くからその姿を眺めるのが好きなんだー。だから、みんなもそっとしておいてくれるかな」

「へぇー、きりのっちってロマンチスト?きゃは」
「おけ、おけ。きりのっちがそう言うなら。ネー」
「仲良くお幸せにってことで、いーんじゃねーか?俺にも幸せをわけろよっ」

痛かった視線が引いていき、そして次の話題へと移り変わる。

悟くんの一言で周りのクラスメイトが納得してしまう。すごい影響力。

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