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僕のマミちゃん
第4章 count 4


橋尾さんが貸してくれるという文庫本の裏表紙に視線を走らせ内容紹介をざっと読む。

「おもしろそうね。ありがとう、お借りします」

「その作家さんの本は他にも持ってるから、気に入ったら貸すよ」

「うん。あっ、私も持ってきてるの」

なんてことのない本の貸し借りをした。けれどもさっきのタイミングって…私を助けてくれたのよね?

私と悟くんのことで、ざわっとしたのはあの一瞬だけだった。あれ以来、誰も私に声をかけない。冷やかされたり、揶揄われたり、虐められたりなんてことも無く、普段通りのクラス内の関係。

悟くんにも橋尾さんにも感謝してる…クラスのみんなにも。



校門を過ぎたところで、悟くんがスマホを弄りながら待ってくれていた。今日は月に何度かある図書委員の当番の無い日。

「マーミちゃん、帰ろ」

「…うん」

悟くんに手を取られ恋人繋ぎでふたりで歩き出す。そして悟くんは堰を切ったようにしゃべり出す。

私は笑顔で二言三言返事をする。うまく話そうと力まなくても大丈夫になってきた。それは悟くんが上手に私のことを誘導してくれているから。

そうやってふたりの距離を縮めていく。

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