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僕のマミちゃん
第1章 count 7


いつものように図書室のカウンターで係の仕事がてら本を読んでいると、ふと人の気配を感じ、なにげなく顔をあげてしまった。

視線の先には霧野くん。一瞬、目が合い、屈託のない笑顔が飛び込んでくる。


しまった…!

すぐさま視線を本に戻す。
ここに来るってことは、女の子と待ち合わせしてるってこと。見ないふりをしなきゃいけないのに、私の存在を見られちゃった。

ごめんなさい…私、何も見てませんから、聞きませんから、知らなかったことにしますから。本を握りしめる手が汗でじっとりしてくる。

そんな焦りも束の間で、真っ直ぐに図書室の奥に行ってくれたことに、ホッと胸を撫で下ろす。


1年半ぶりくらい?!普段は遠くからチラッと盗み見ることしか出来ないけど、今、1年半ぶりに正面から見ちゃった!しかも目が…目が…目が合っちゃった!

目を閉じて霧野くんの笑顔を思い出す。

オレンジが強いブラウンの髪、耳たぶの裾がちらりと見え隠れする。眉を隠した前髪はまっすぐ下ろしていたり右分けしたり左分けしたり。

今日はまっすぐに下ろしていた。黒目がちの目は三日月形に優しく細められ、並びの良い上の歯を見せ、ほっぺがぷっくりと盛り上がっている笑顔。

脳裏にしっかり焼き付けて。

すごくドキドキしてる。幸せ過ぎ……

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