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僕のマミちゃん
第1章 count 7
ひとりで舞い上がっていると、ボソボソとした声が止み、衣擦れの音がこちらに移動してくるのが聞こえた。
咄嗟にカウンター下のゴミを拾うふりをして身を隠す。完全に居ないふりです。誰もいませんよー。
ドアの開閉音が聞こえる…図書室を出て行った気配を確認してから、カウンター下からのっそりと這い出して、椅子に座り直した。
何事も無く帰ってくれて良かった。はぁっ…と溜めこんでいた息を吐く。
あれ?いつもなら楽しそうな霧野くんの声が聞こえるのに…?
やっぱり目を合わせちゃったのがいけなかった…変に気をまわさせちゃったかも。
気を落としながら栞の挟まったページを開く。
閉館時間のチャイムが鳴り出した──。
本日も利用者はゼロ。違う用途の利用者は一組。
あとはカーテンを閉め、残っている生徒が居ないか確認をし、電気を消してからドアに閉館の札を掛ける、ここまでが係の仕事。
施錠は後で見回りに来た先生がしてくれる。
手前から順にカーテンを閉めていく。一番奥の本棚の列に足を踏み入れた瞬間、思いがけない物体の存在に、後ろに飛び退くほど驚いた。
「ひっ!」
本棚にもたれ掛かり、足を伸ばしてペタンと座り込んだ霧野くんがいる。
その、うなだれた姿は……
寝、てる…の?