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僕のマミちゃん
第5章 count 3


私の長い髪を手櫛で梳きながら鼻に近づけ匂いを嗅いでいる悟くん。

「マミちゃんいつも読書してるでしょ?その姿勢が綺麗でさ、髪も綺麗でさ、気になって見てたんだよね。そしたらマミちゃん、窓の外見てすごく優しい顔で笑ったんだよ。その笑顔を僕に向けて欲しいなって思ってさ、ズッキュンってやられちゃった。見てたの気付いてくれてた?」

「き、気付かなかった…です。あの、私は高校入ってすぐのオリエンテーリングの時に悟くんに声をかけてもらって、それからずっと…」

「うっそ?!嘘…僕、いま嘘ついちゃった。あの時さ、ひとりで歩いてるマミちゃんが気になって声かけたんだ。気にはなってたけど、クラスが違ったから…それにあの頃は僕アレだったし…そっかー、そうだったんだー。どーしよう、すっげー嬉しい!…だったらもっと早く告れば良かったー。マミちゃんが告ってくれても良かったのに」

「無理無理無理っ、悟くんはみんなのアイドルだから…」

「まーた、そー言う」

「ご、ごめんなさい」

「ま、いっか。今のふたりはラッブラブだもんねー。もう僕のマミちゃんだしー」

楽し気な悟くんは、私の体を縛り付けるようにぎゅうぎゅうと抱き込んだ。

「小さくて可愛いね」

「ち、小さくないよ…私は158だから、普通かな」

じゃない……そこじゃない、悟くんはさりげなくいつも『可愛い』って言ってくれるけど、私は可愛くない。
だって、ほら悟くんと付き合ってるって知られた時、クラスの女子たちは驚いてたもの。

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