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僕のマミちゃん
第6章 count 2
放課後、校門の所で待っていてくれた悟くんと並んで歩き出す。
「あはっ、走って来なくて大丈夫だよ。今日は家に寄ってけるよね?こないだマミちゃん来てくれなかったから淋しかったなぁー」
屈託のない笑顔で淋しかったって、まるで社交辞令みたいに楽しそうに言う。いつも楽し気な悟くんが淋しがるはずなんて無いと思う反面、淋しがらせてしまって申し訳ないとも思った。
「ごめんなさい…」
「なんだよぉー、謝るような事じゃないから。用事があったんだから、しょうがないよ」
しょうがないと言ってくれた用事は嘘でした。悟くんに嘘をついていたことで罪悪感でいっぱいになる。
嘘なんかつかずに、覚悟が出来ていなかった私の気持ちを正直に言えばよかった。
今更ながらに気が付いた。このままでは私は悟くんと向き合えてないって…
……ちゃんと謝りたいの。
「悟くん…そのことなんだけど」
「昼休みさー、橋尾さんと楽しそうだったね?肩組んだりして、なーに話してたのかな?」
橋尾さんがしてくれたように、一瞬だけ肩を抱き寄せられる。話題を変えようとしてるのが分かった。
私の稚拙な嘘なんて簡単にバレちゃうもの…きっと全てをわかった上でスルーしてくれようとしてるんだわ。
それでも、嘘をついたこと正直に話して、きちんと謝りたかった。