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僕のマミちゃん
第1章 count 7
「いつのまにか寝ちゃってた。あはははっ。もう閉館時間?じゃあ帰ろっかー。よいっしょっとっ…変な寝方してたから首が痛くなっちゃった。あっー、すっげーバキバキ鳴る。あれ?マミちゃん、どーしたの?おなか痛いの?」
何事もなかったかのように立ち上がって首のストレッチをしていた霧野くんが体を固めたままの私の前にしゃがみ込んで笑顔で首をかしげる。
あ、もう動いてもいいのかな?
私は日々繰り返される決まった動きで、残りのカーテンを閉めてカウンターに戻った。後ろを霧野くんが付いてくる。
ひとりカウンター内に戻ると、すでにキレイに整っているカウンターの上を片付けるふりをしながら挨拶をした。
「さようなら」
「電気消すよー?早くこっちにおいで。もうお終いでしょ?マミちゃん一緒に帰ろうよ」
「え?あ、うん」
ああ、一緒に退室しよってことだよね?
鞄を持って霧野くんがいる電気のスイッチの元へ向かう。
本当は私がやるべき仕事なのに、パチパチと霧野くんがひとつずつ電気を消していき、最後のひとつになると親切に声をかけてくれる。
「消すよ?」
「ありがとう」