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縣男爵の憂鬱 〜 暁の星と月 番外編〜
第1章 縣男爵の憂鬱
驚きの余り仰け反った礼也はそのまま椅子ごと、後ろにひっくり返った。
「兄さん!」
「縣様!」
二人が同時に礼也に駆け寄る。

「兄さん、大丈夫?」
「縣様、お怪我はございませんか?」
両方から助け起こされ、礼也は右、左と順番に二人を見る。
「ほ、本当なのか?暁…。お前の恋人が…月城というのは…」
暁は白い頬を染めて、俯く。
「…はい…」
月城が礼也をじっと見つめる。
「恐れながら、事実でございます。縣様」
礼也は大きく目を見開いた。
「そ、そんな…!い、いつの間に⁈…だって君はこの間はそんなこと、おくびにも出さなかったじゃないか…」
最後の方は小声になる礼也である。
…あのバーの一件を調査させたことは暁には秘密だからだ。
「はい。あの頃は、私と暁様はまだそういった関係ではございませんでした」
「い、いつからだ‼︎いつから恋仲なのだ⁉︎」
思わず強い口調になる礼也に、暁は哀しげに瞳を潤ませ見上げる。
「…兄さん…やはりお怒りなのですか…?」
礼也は慌てて首を振る。
「い、いや…怒っている訳ではない。余りに予想外な展開で信じられないだけなのだ」
礼也は椅子にきちんと座り直した。
向かい側には暁と月城が仲良く並んで座る。

…何なんだ、既にしっぽりしたこの雰囲気は…!
礼也は兄の威厳を纏い、咳払いをした。
「いつからなのだ、月城。私は真実を知りたいのだ」

月城は涼しげな瞳を上げ、礼也をじっと見つめた。
「…暁様に私の思いを告白したのは…暁様が階段から落ちられてお怪我をされた日でございます」
「…あの日⁈…確かにあの日、君は血相を変えて病院に駆けつけたな」
今思うと、奇妙な話なのだ。
北白川伯爵家の執事が、暁が怪我をして病院に駆けつけるなど…違和感ありまくりな話しなのだ!
「…はい。…暁様がお怪我をされ、病院に運ばれたと伺い、私は生きた心地がしませんでした。…暁様を失う恐怖は何より耐え難く…私は病院に駆けつけ、暁様に私の思いの丈をお伝えしたのでございます。
…愛していますと…。貴方がいない世界など、何の意味はないと…生きている価値もないと」
月城の普段冷静沈着な眼差しが、熱い熱を帯びて暁を見つめる。
暁は黒く潤んだ瞳をきらきらと輝かせ、月城を見つめ返した。
「月城…!嬉しい…!」

…なんだかおかしなことになってきた…。
礼也はあからさまにむっとして眉を顰めた。


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