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縣男爵の憂鬱 〜 暁の星と月 番外編〜
第1章 縣男爵の憂鬱
…まず、暁が現れた。
白い麻のシャツにベージュの麻のスラックス姿の暁は相変わらず美しく楚々として可愛らしい。
礼也は無意識に目を細める。

…暁の後に続いて現れたのは、背の高いすらりとした男だ。
…来たッ‼︎
心臓がバクバクと音を立てる。

だが、暁の陰に隠れて貌がよく見えない。
礼也は男の姿をじっと見据える。
男が、暁の隣に並んだ。

「…縣様、お久しぶりでございます…」
低い美声で、折り目正しく挨拶をするのは…
…北白川伯爵家の美貌の執事、月城であった。

「…月…城…?」
礼也は意味が分からず、ぽかんとした貌のまま呟く。
「…なぜ、君がここにいるのだ…?」
…なぜ、月城がいるのだろう。
たまたま暁が途中で会って連れてきたのだろうか…。
暁の恋人は、まだこれから来るのだろうか…。
全く働かない思考の中、礼也はぼんやりと月城を見つめる。

月城は黒い執事の制服のままだ。
黒い絹糸のような髪はきちんと撫でつけられ、いつものフレームのない眼鏡を掛けている。
そして、切れ長の怜悧な眼差しをじっと礼也に向けていた。

…相変わらず人形のように整った美しい男だ。
礼也は思わず感心した。
…いや、そんなことよりなぜ月城がここに…。
その疑問を今一度口にしようとした時だ。

暁が、恥らうようにしかし、はっきりとした声でこう告げたのだ。
「…兄さん、僕の恋人の月城森さんです」

…暁の言葉を理解するまで、たっぷりと1分はかかった。
礼也は、正に鳩が豆鉄砲を喰らったような間抜けな貌をしていたが、やがて家中に響き渡るような声で叫んだ。

それは、育ちの良い礼也が恐らくは生まれて初めて発した余りに素っ頓狂な叫び声であった。
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ⁉︎」

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