この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
縣男爵の憂鬱 〜 暁の星と月 番外編〜
第1章 縣男爵の憂鬱
「大丈夫ですか?兄さん、火傷はしなかったですか?」
暁が慌てて、ハンカチで拭いてくれた。
その白い手と礼也の手が触れ合い、礼也はなぜだかドギマギとした。
「…だ、大丈夫だ。…それより…お前の恋人…と言ったな…それは…」
しどろもどろになる礼也に、暁はややはにかんで頷く。
「…はい。…彼も、兄さんにきちんとご挨拶したいと言ってくれました」
「…そ、そうか…」

…そいつは、一体どこのどいつなのだ…喉元まで出かかる質問を礼也は飲み込む。
「私もお前の恋人にはぜひ、会いたいと思っていたのだ」
暁はしっとりと濡れたような黒眼勝ちの瞳を嬉しげに細めた。
そして、礼也の手を握りしめる。
「ありがとうございます!兄さん、兄さんが会ってくださると聞いてほっとしました」
…なんて…なんて可愛いんだ!
暁の愛らしさにうっとりする。
「私はいつでもお前の味方だ」
「では、明日の夜に僕の家に来ていただけますか?
その時に紹介いたします」
「分かった。明日だな。楽しみにしているよ」
…だから…だから…それは一体、誰なんだ⁈
今直ぐ聞きたい気持ちを抑え、礼也は鷹揚に頷く。

暁はにこにこしながら、告げる。
「それでは僕はまた店に戻ります。今日はギャルソンが二人も休んでしまって人手が足りないので、代わりが来るまで急遽、手伝いに入ることにしたのです」
「それはご苦労だな。だが無理しないように」
暁は嬉しげに頷きながら、一礼すると執務室を後にした。

礼也はがくりと首を垂れた。
…結局、聞き出せなかった…。
一体誰なのだ!明日までこのモヤモヤを引き摺らなくてはならないのか ⁉︎
まさに蛇の生殺し状態である。
礼也は力なく溜息を吐きながら、頬杖をついた。





/14ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ