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縣男爵の憂鬱 〜 暁の星と月 番外編〜
第1章 縣男爵の憂鬱
「…というのが昨日の顛末だ…」
二人きりになった朝食室で、礼也が大方の概要を話すと、光が興奮したように目を輝かせた。
「え⁈じゃあ今夜、礼也さんは暁さんの恋人にお会いになるのね⁈」

光には、暁が同性愛者であること、恋人がいることなども話してある。
少女時代からパリのリセの寄宿舎で育った光は恋愛観は大変にリベラルだ。
かつては従姉妹の梨央を真剣に恋したこともある。
元々は光と礼也は恋のライバルであったのだ。
だから、光は暁の性的嗜好についての頼もしい理解者でもある。

光は我が事のように興奮し、瞳をきらきらと輝かせた。
「ああ…!暁さんの恋人ってどんな方なのかしら…?
…やっぱり暁さんみたいに綺麗な方なのかしら?」
礼也は半ば呆れながら、冷めた珈琲をすする。
「君は気楽だな。…私はどんな奴が暁の恋人なのか気が気ではないというのに…。…大体、誰なんだ⁈…会社の者ではないだろう。…とすると…星南の馬術部関係者か?同級生か?先輩か?…後輩ということもあるか…。あとは…帝大の同級生か、先輩か…ああ!もう!…こんなことならもっと暁の交友関係を把握しておくのだった!」
悶々とする礼也を尻目に、光は身を乗り出す。
「ねえ!礼也さん。今夜私も暁さんのお家に行ってもいい?暁さんの恋人をこの眼で見てみたいのよ!」
礼也は危うく珈琲を吹き出しそうになる。
「だ、駄目だ駄目だ!…もし、柔道の猛者みたいなのや、関取みたいな巨漢が現れたらどうするんだ‼︎…驚いて産気づいたら一大事だ!…君は屋敷でおとなしくしていなさい」
光は唇を尖らせながら渋々諦める。
「…つまらないわねえ。…じゃあ、お帰りになったら必ず、どんな方だったか包み隠さずに教えてよ?約束よ?」
礼也は妻を宥める為に頷くと、壁の柱時計に眼を走らせ
「では行ってくるよ。…くれぐれもお転婆はしないように、おとなしく過ごしてくれ…」
と、いつも通りに妻の頬にキスをして慌ただしく出かけたのであった。
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