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honey chocolate
第3章 焦燥の緋色


帰宅し、ベットに身を投げる。


「なんで・・・」


ざわざわした気持ちを落ち着かせていたのに、どうしてあの人の声を聞くだけでこんなにも胸が落ち着かなくなるの。


目を閉じるとすぐに思い出す。


あの人の目を。指を。息遣いを。


耳元で囁く甘い低音の声。
強引に引き寄せられる唇。



じわっとする胸のざわめきと下半身の疼きが比例する。


「・・・ん・・・っ」



無意識に下着の中に手を入れ込む。


「俺を見ろよ」


囁かれたその言葉を想像しながら指が動く。


「俺を見てイけよ」


指が一番敏感な所に触れる。


「・・・ぁ、ん・・・っ」


とめどなく溢れ出してくる愛液にショーツはすでにびしょびしょ。


想像しただけで。こんなにも。


くちゅぅ・・・っ


指を挿入しようとしたその時。



ピンポーン



ビクッと我に返る。



「や、やだあたし・・・っ何を・・・っ」



ピンポーン



「・・・っはぁ・・・」



ため息をし、気持ち悪いショーツを尻目に手を軽く拭き、急いで玄関に向かう。

念のためドアスコープを覗き、確認する。



「・・・・・・はっ?」



そこには、私服姿の城山が立っていた。



「・・・嘘でしょ」



今まであなたの事を想像していやらしい事をしていましただなんて、口が避けても言えない。


どうしよう、出るべきなの?
居留守を使ってしまおうか。



「・・・いるなら開けろ」



ビクッ


命令や指図に近いような声。


怖い。


「・・・今は・・・ちょっと・・・」



「お取り込み中か?」



くすっと笑う城山にかぁっと熱くなる。



「違います!!」



思わずドアを開け、やられた、と思う。けどもう、遅い。


「・・・な、なんで」


「上司が部下の住所を把握していないとでも?」



「だからって・・・何かありましたか」


必死に冷静を装うと、仕事の話にもっていくよう仕向ける。


「上司を玄関に立たせっぱなしにするのか?」



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