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第27章 吐露

「 砂漠で見えるアレだよ。そこにある様に見えて実際に行ってみたら無いってヤツ。」
「 蜃気楼ぐらい知ってるって。それと彼女がどう繋がるんだ？彼女は実際にいるだろ？今もほらそこのベットで点滴を受けながら眠ってるんだろ。」
「 そうだな。実際にそこに居るのに触れないんだ。」
「 神崎らしくないな。そう言う言い方。物事は論理で出来ていて人の心理も全て説明のつかない事はなかったんじゃないのか。」
「 そうだ。そうなんだけどな。」
「 持て余してるなら逃してやれば？このままずっとって訳にはいかないだろ。拾ってきたイヌじゃないんだからさ。」
「 いや、彼女は手放さない。」
「 意地になるなって。もっと気楽に付き合える女の方が楽だって。」
「 それで島崎は女を取っ替え引っ替えか。お前、いま何人いるんだ？」
「 遊びだよ、遊び。向こうもそうだろうし。」