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Dollと云う名の奴隷
第28章 決別
ご主人様の言葉を思い返す。

『自分でも止められない。』

なら、ご主人様以外の人の力を借りるしかない。
次のご主人様の躾を受ければ私の心は多分崩壊してしまう。

私はボイスレコーダーに録音されたあの日の記録をコピーした。
それを島崎先生の病院へ島崎先生宛に送ると翌々日にご主人様の家を出た。
タロウのお世話をしに来たあの日の服を着てバッグを持って。
季節が変わり服は季節外れだったけど今着ているのワンピースはもっと目立つ。

ご主人様がクリニックに続くドアを抜けたのを見届けて私は裏口のドアから外に出た。

少し歩くだけでもすぐに疲れて動けなくなる。
駅に辿り着くまででも以前より時間がかかった。
駅のホームで電車を待っていたら、携帯が鳴った。
島崎先生からだ。
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