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Dollと云う名の奴隷
第10章 手中に堕ちていく日々
「 ルカ、そろそろ一度自宅に戻ろうか。もちろん私も一緒に行く。」
これが普通の服を渡された理由だと私は悟った。
自宅には澪の所に泊まると連絡が入れてあるらしく親は私が帰らない事に違和感すら覚えてないだろう。
退職の事にしても親への連絡にしても全て澪がやっている様だった。
澪はご主人様の言葉を信じているのだろうか…。
それとも何か他に理由があるんだろうか。

着替えるとすぐにご主人様同伴で自宅に戻った。
日曜の夕方とあって家族全員が揃って居た。
ご主人様が両親に丁寧に挨拶をすると両親は歓迎ムードだった。
夕飯を一緒に食べながらの笑談が続く。
同じ医療従事者とあって特に母とは気が合っている様だった。
「 香音さんにはクリニックを手伝って頂いていてとても助かっているんです。通って来てもらうのには距離があるのでこちらで泊まったりする事をお許し頂けませんか?もちろん、無責任な事はしないとお約束します。」
ご主人様は両親に連泊の許可を打診した。
私は息が止まりそうだった。
両親はあっさりと許可しこれでご主人様は私の全てを手に入れた事になる。
夕食後、ご主人様は相変わらず控えで丁寧に挨拶をして私たちはご主人様の自宅に戻った。
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