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幸せの欠片
第9章 クラブで
舞台には、白い塗料を塗った木製のように見える素材のマットが敷かれていた。
少し乱暴な扱いで、悟は、麻衣とアリアを床に転がす。
二人の距離は1メートルと離れていなかった。
悟が二本の紅いろうそくに火を灯し、置かれていた銀製の燭台の上に乗せる。
手の動きが大きいのは、観客に見せるためなのだろう。
麻衣がアリアの方をちらと見やると、アリアはウィンクを投げ返して来た。
きっと、心配することはないと言っているのだろうと思い、麻衣は安心をした。
悟は、次々とカットワークの白いカバーのかかった台の上に、大きな動作で道具を並べて行く。
アリアは観客の方に向けて、いかにも苦しそうな顔をしていた。
初めて、こんな風に舞台に乗せられた麻衣には、お芝居をするほどの余裕はなかったが、苦しいのは本当だったし、この先、起こることも気になった。
その時、原がマイクで話し始めた。
「皆さん、お約束の美女二人が舞台の上にやって参りました。まずは、ローソクショーから始めたいと思います。この二人の上に是非ともローソクを落としてみたいという人はいますか?」
一瞬で、10人を超える挙手があった。
麻衣には経験のないことばかりだったが、アリアの方を見ると、やはりウィンクを投げて来る。
不安ではあったけれど、困った時には、きっとアリアが助けてくれるだろうと、麻衣は、少し落ち着きを取り戻した。
「では、そこの青いシャツのあなたと、白いスウエットのあなた、舞台へどうぞ!」
クレーンが動き、二人の男性を拾い集めると、舞台へ上がって来た。
「いいですか? 顔や頭には落とさないように注意してください。それから、この手すりより下からは落としてはいけません。火傷や火事の危険があるので、お願いしますね」
二人の観客は、素直に頷くと、手渡されたキャンドルを嬉しそうに握った。
青シャツの男は、アリアの方へ行き、スエットの男が麻衣の方にやって来た。
「では、どうぞ」
悟の合図で、男たちがロウを体に落とし始める。
ポトリ、と落ちて来たロウは一瞬熱さと共に、ピリリとした軽い痛みを感じる。
しかし、距離があるため、体に到着するまでには少し冷めるようで、それほどキツいものではなかった。
アリアのウィンクが教えてくれた通りだと思う。
少し乱暴な扱いで、悟は、麻衣とアリアを床に転がす。
二人の距離は1メートルと離れていなかった。
悟が二本の紅いろうそくに火を灯し、置かれていた銀製の燭台の上に乗せる。
手の動きが大きいのは、観客に見せるためなのだろう。
麻衣がアリアの方をちらと見やると、アリアはウィンクを投げ返して来た。
きっと、心配することはないと言っているのだろうと思い、麻衣は安心をした。
悟は、次々とカットワークの白いカバーのかかった台の上に、大きな動作で道具を並べて行く。
アリアは観客の方に向けて、いかにも苦しそうな顔をしていた。
初めて、こんな風に舞台に乗せられた麻衣には、お芝居をするほどの余裕はなかったが、苦しいのは本当だったし、この先、起こることも気になった。
その時、原がマイクで話し始めた。
「皆さん、お約束の美女二人が舞台の上にやって参りました。まずは、ローソクショーから始めたいと思います。この二人の上に是非ともローソクを落としてみたいという人はいますか?」
一瞬で、10人を超える挙手があった。
麻衣には経験のないことばかりだったが、アリアの方を見ると、やはりウィンクを投げて来る。
不安ではあったけれど、困った時には、きっとアリアが助けてくれるだろうと、麻衣は、少し落ち着きを取り戻した。
「では、そこの青いシャツのあなたと、白いスウエットのあなた、舞台へどうぞ!」
クレーンが動き、二人の男性を拾い集めると、舞台へ上がって来た。
「いいですか? 顔や頭には落とさないように注意してください。それから、この手すりより下からは落としてはいけません。火傷や火事の危険があるので、お願いしますね」
二人の観客は、素直に頷くと、手渡されたキャンドルを嬉しそうに握った。
青シャツの男は、アリアの方へ行き、スエットの男が麻衣の方にやって来た。
「では、どうぞ」
悟の合図で、男たちがロウを体に落とし始める。
ポトリ、と落ちて来たロウは一瞬熱さと共に、ピリリとした軽い痛みを感じる。
しかし、距離があるため、体に到着するまでには少し冷めるようで、それほどキツいものではなかった。
アリアのウィンクが教えてくれた通りだと思う。