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幸せの欠片
第8章 悟の出張
 アリアのリクエストで、その日、麻衣は着物を着た。

 花魁風にアレンジされた赤い着物だが、容易に着脱できるように工夫があった。


「麻衣さん、きれいです」

「ありがとう」


 櫂の待つ部屋へ入ってから、アリアは、麻衣の胸元から手を挿し入れ、優しく麻衣の乳房を掴むと、離れ難そうにしながら部屋を出て行った。

 その様子を、櫂はじっと見ていた。


「ソファーに座ってください」

「はい」


 言われた通りにソファーに座る。


「昨日は疲れたでしょう? 今日は、あんなにキツいのはありません」

「はい、ご主人様」


 一昨日のことなのに、ここへ初めて座った時のお客さん的な気持ちと今は、全く異なる感じがあった。


「今日は、縄で縛られて、たくさん感じるようにする練習です」

「はい……」


 麻衣は、夫に初めて亀甲縛りをされた時のことを思い出していた。


「どうしても我慢できないくらいキツい時は言ってください。そこは緩めます」

「はい、ご主人様」


 櫂は、衿元と両肩をはだけさせると、作った輪っかを麻衣の首に掛け、そこから縄で縛り始めた。

 胸の上と下に縄をかけて、その間から乳房を引っ張って出す。

 裾は巻き上げてから、秘所が露になるよう、更に縛られると、しどけない姿になった。

 リクライニングを最大まで倒すと、背中はかなりフラットの状態になった。

 左右それぞれの膝を、肘掛に固定すると、股が完全に開き、秘所が露わになった。

 正面から見れば、アナルまで丸見えの状態だ。

 両手首がソファーの枕の部分に縄で縛られ、固定されると、全く身動きが取れなくなった。
 
 櫂は、麻衣の足のずっと先にある壁のカーテンを開いた。

 そこは、更衣室として使っている場所だったが、大きな鏡がちょうどこちらを向いて置かれている。

 櫂が少し、背もたれのリクライニングを戻すと、麻衣は赤い着物をはだけた身体を縛られ、足を大きく広げた自分の姿を眼の前に見ることになった。


「あぁ……」

「どうしました? 麻衣さん」

「は、恥ずかしいです」

「そうでしょうね。でも、私が見ているのと同じ姿が映っているのですよ」
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