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幸せの欠片
第8章 悟の出張
バスルームについてから、麻衣は気になっていることをアリアに質問した。
「私のせいで水元さんに叱られたんじゃない?」
「いいえ、麻衣さんが気にするようなことはないのです」
「だけど、なんだか、アリアとの関係を何度も訊かれたの」
「櫂さんは私に『麻衣さんに痛みや責めをトレーニングしていることに障りを及ぼすようなことはするな』とは言いましたが、そんなことはないので、気にすることはありません」
「そうなの……」
麻衣は、ここでのトレーニングについては、元々、夫にダイエット目的で連れて来られたつもりだったので、始めは、夫の企てや櫂の思惑に応えようと思っていたわけではなかった。
ただ、夫の思いについて教えてくれたのはアリアで、それなら、夫の望みに応えたいと思っているのも事実だったから、決してアリアが支障になっているというようなことはないと思う。
ちゃんと質問をしてくれれば、答えられたのに、櫂は自分の望む答えを引き出そうとしただけだと思った。
「櫂さんは、ジェラシーの強い人なのです」
「そうなの?」
「自分の受け持ちの人が自分だけを見てくれないと嫌みたいで……」
「あ、そうだ。アリアとの時間は、内緒だったの?』
「櫂さんは、自分の仕事が終わったら帰っちゃうので、この時間は麻衣さんのプライベートタイムだと私は思っています」
「そうね。トレーニングの時間が終わって、櫂さんとこなすべきプログラムもちゃんと終わっていたら、私もプライベートな時間だと思う」
「だから、気にしなくていいのです」
「わかった。でも、何か問題があったら、私もできるだけのことはしたいから言ってね」
「はい、麻衣さん、ありがとうございます」
「ここへ来てから、私は自分の知らない自分をたくさん見つけたの」
「そうですか。麻衣さんにとって、それが良いことだといいと思います」
「私はいいことだと思ってる。アリアとも知り合えたし……」
「少しは、私を好きになってもらえましたか?」
「えぇ、アリア……。正直に言うと、合宿と聞いた時、アリアと過ごす時間を思って嬉しくなったの」
「わぁ、嬉しい! 麻衣さんのそういう素直なところが、とっても好きです」
アリアは、麻衣を抱きしめた。
「私のせいで水元さんに叱られたんじゃない?」
「いいえ、麻衣さんが気にするようなことはないのです」
「だけど、なんだか、アリアとの関係を何度も訊かれたの」
「櫂さんは私に『麻衣さんに痛みや責めをトレーニングしていることに障りを及ぼすようなことはするな』とは言いましたが、そんなことはないので、気にすることはありません」
「そうなの……」
麻衣は、ここでのトレーニングについては、元々、夫にダイエット目的で連れて来られたつもりだったので、始めは、夫の企てや櫂の思惑に応えようと思っていたわけではなかった。
ただ、夫の思いについて教えてくれたのはアリアで、それなら、夫の望みに応えたいと思っているのも事実だったから、決してアリアが支障になっているというようなことはないと思う。
ちゃんと質問をしてくれれば、答えられたのに、櫂は自分の望む答えを引き出そうとしただけだと思った。
「櫂さんは、ジェラシーの強い人なのです」
「そうなの?」
「自分の受け持ちの人が自分だけを見てくれないと嫌みたいで……」
「あ、そうだ。アリアとの時間は、内緒だったの?』
「櫂さんは、自分の仕事が終わったら帰っちゃうので、この時間は麻衣さんのプライベートタイムだと私は思っています」
「そうね。トレーニングの時間が終わって、櫂さんとこなすべきプログラムもちゃんと終わっていたら、私もプライベートな時間だと思う」
「だから、気にしなくていいのです」
「わかった。でも、何か問題があったら、私もできるだけのことはしたいから言ってね」
「はい、麻衣さん、ありがとうございます」
「ここへ来てから、私は自分の知らない自分をたくさん見つけたの」
「そうですか。麻衣さんにとって、それが良いことだといいと思います」
「私はいいことだと思ってる。アリアとも知り合えたし……」
「少しは、私を好きになってもらえましたか?」
「えぇ、アリア……。正直に言うと、合宿と聞いた時、アリアと過ごす時間を思って嬉しくなったの」
「わぁ、嬉しい! 麻衣さんのそういう素直なところが、とっても好きです」
アリアは、麻衣を抱きしめた。