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幸せの欠片
第8章 悟の出張
 櫂の動きも気になってはいたが、デボラが、アタッシュケース風のカバンから取り出したものを、作業台にしているテーブルの上に次々と並べるのも気になった。

 小さな試験管のような形をしたもの、アイマスク、夫の持っていたのに似た洗濯バサミのようなもの、小さなチェーンと風鎮のようなものなど、それらを見ているだけで、麻衣の体がすくんだ。

「あなたに似合うアクセサリーをつけてあげるわ」


 デボラは、そう言うと、最初に小さな試験管のようなものを麻衣の乳首にくっつけ、きゅっとひねった。

 すると、乳首がぎゅっと吸われたまま固定された。


「あぁ……」

「気持ちいいでしょ。どう?」

「……」

「あら、あなた女性が好きなんじゃないの? 私には冷たいのね」

「どんな女性でも好きというわけではありません」

「そうなの? いいわ、いじめ甲斐がありそうね」


 そう言って、デボラは「ふふふ」と笑った。


「じゃあ、ここには、別のものをつけてあげるわね」


 デボラは麻衣の怖がる様子を楽しんでいる風だった。

 そうして、小さめのチェーンの先に風鎮のような重りの付いたクリップを、よく見えるように麻衣の顔の前にかざしてから、花芯を包み隠す花弁の両側に一つずつぶら下げた。


「あぁー……うぅー……」


 痛みと恥辱が一度に襲って来たが、デボラは、それをわざと揺らして楽しんでいる。


「まだあるのよ」


 そう言いながら、乳房の周りを取り囲むように、一つずつ洗濯バサミのようなものを順番に付けていく。


「はぁーーーー」


 更に、花弁を開くように、左右を同じ洗濯バサミのようなもので摘んでいく。


「きゃあーー……」

「やっといい声が聞こえて来たわ」

「いや……、いやぁー……」

「嫌なのぉ? そんなこと言わないで一緒に楽しみなさいよ」

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「じゃあ、今度は目隠しゲームよ」


 そう言うと、デボラは麻衣の頭の方に回り、アイマスクを取り付けた。

 ウィーンというモーター音が響き、それが麻衣の体に近づくと、いきなり核の部分に押し当てられた。


「はっ、はっ、はっ……」

「イカせてあげましょうね」

「いや、いやー……」


 どんなに抗っても到達してしまうことを、麻衣は既に知っていた。


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