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幸せの欠片
第2章 痴漢
 良かった・・・・・と、ほっとしたのもつかの間、今度は、ストッキングのお尻の部分から指を引っ掛けると、ビリビリっと引き裂き、ぐぐっと後ろからパンティーを掴んでクロッチ部分を引っ張られた。

「ふーん、ずいぶん濡らしたな・・・・・・」

 男が耳元で囁いた。

 痴漢にそんなことを言われたくない。

 もう、この上ないほどに恥ずかしかった。

 粘液がパンティーと秘部の間で糸を引いている感じがした。

 やはり私の身体は感じていたのだ。

 それを恥と思う自分のプライドにも苛まれる。

 相手は痴漢なのに、そんな理不尽な相手に言い訳さえ出来ない羞恥と怖さと憤りとに震え、行き場のない感情がこみ上げて来て、涙がこぼれそうになった。

 泣きそうになって、抵抗する力の萎えたところへ、相手は何のためらいもなくハサミを使ったらしく、ジョキンという音がして、クロッチを切られた。

 ショーツの切られた半分が前に垂れて、太腿を濡らすのを感じた。

「や、やめてっ」

 驚きの状況に、小さいながらも必死で声を上げる。

 すると、お尻に冷たい金属のものが押し付けられた。

 今使ったハサミで脅そうとしているようだった。

 黙ってじっとしていないと怪我をさせるぞ、というつもりだろうか。

 ― そんな……。

 相手は多分二人、もしかしたら三人かもしれない。

 男たちが本気になったら、もっとひどい目に遭わされる可能性だってある。

 ― 誰か助けて・・・・・・!

 その間も、右の男の手は、相変わらず右の乳首とお尻をひねり続けている。

 恐怖が広がって来た頭の中は、痛みでキューンと疼く体の感覚にかき乱され おかしくなりそうだった。

 なのに、別の指がやって来て、まるで脚を開けというように、ツンツンと大腿の間を突かれる。

 せめて身体に力を入れて抵抗しようとしていたけれど、この状況で逆らっても無駄だった。

 今は、とりあえず言うことを聞くしかないと観念して、力を緩めた。

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