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幸せの欠片
第9章 クラブで
アリアがうっすらと目を開け、「あぁ……」と声をあげた。
それから、同じようにゆっくりと手を伸ばすと、麻衣の乳房をやさしくつかむ。
二人は、目を合わせ微笑み合った。
それから、アリアが「しーっ」というように、唇の前で指を立ててから、その指で扉を指さした。
麻衣は頷き、そっと二人でベッドから離れる。
体で交わることも楽しいが、心を交えることも、とても幸せに思えた。
扉の前に出ると、アリアの招く方向へとついて行った。
決して広くはなかったが、アイランド型のキッチンがあって、調理器具は一応揃っている雰囲気だった。
「アリア、お腹が空いたの?」
「えぇ、とっても。麻衣さんはどうですか?」
「私も昨日は、ろくに食べていなかったから、お腹が空いているの」
「冷蔵庫を見てみましょう」
「アボカド、ズッキーニ、なす、トマト、卵……」
「麻衣さん、何か作れそうですか?」
両開きの冷蔵庫の中には、あまり多くのものは入っていなかったが、朝食を作るのには十分だった。
「えぇ、大丈夫よ。スパイスがしっかり揃っているのには驚いたわ」
「ここには、旅行へ出かけた人たちからのお土産も多いので、缶詰もたくさんありますよ」
「アンチョビ、ひよこ豆……ガーリックはあったかしら?」
「ありますよ」
「パンは?」
「冷凍庫に入っています」
「フードカッターもあるから、ディップを3種類作って、後はグリーンピースのスープかしらね?」
「今日も、プレイするみたいだし、ごちそうじゃなくてもいいですよ」
「あら、じゃあ、ガーリックはまずい?」
「麻衣さんは、原さんと一緒でしたよね?」
「えぇ」
「あの人にも食べさせるといいですよ」
「そんなことができるの?」
「出来ますよ。ご主人に言っておけば大丈夫です」
なんだか不思議な会話をしている気がしたが、この場所自体が既に不思議なのだから、今更、そんなことを考えるのは止そうと思った。
「とにかく、手間のかからないものだし、日持ちをするものもあるから、多めに作っておくわ」
麻衣の料理は手際が良かった。
タプナードにハマス、アボカドと卵で具ワカモレ風のディップを作り、同時にグリーンピースのスープを仕上げた。
ナスとズッキーニとトマトは重ね焼きにし、周囲にはおいしい匂いが漂っていた。
それから、同じようにゆっくりと手を伸ばすと、麻衣の乳房をやさしくつかむ。
二人は、目を合わせ微笑み合った。
それから、アリアが「しーっ」というように、唇の前で指を立ててから、その指で扉を指さした。
麻衣は頷き、そっと二人でベッドから離れる。
体で交わることも楽しいが、心を交えることも、とても幸せに思えた。
扉の前に出ると、アリアの招く方向へとついて行った。
決して広くはなかったが、アイランド型のキッチンがあって、調理器具は一応揃っている雰囲気だった。
「アリア、お腹が空いたの?」
「えぇ、とっても。麻衣さんはどうですか?」
「私も昨日は、ろくに食べていなかったから、お腹が空いているの」
「冷蔵庫を見てみましょう」
「アボカド、ズッキーニ、なす、トマト、卵……」
「麻衣さん、何か作れそうですか?」
両開きの冷蔵庫の中には、あまり多くのものは入っていなかったが、朝食を作るのには十分だった。
「えぇ、大丈夫よ。スパイスがしっかり揃っているのには驚いたわ」
「ここには、旅行へ出かけた人たちからのお土産も多いので、缶詰もたくさんありますよ」
「アンチョビ、ひよこ豆……ガーリックはあったかしら?」
「ありますよ」
「パンは?」
「冷凍庫に入っています」
「フードカッターもあるから、ディップを3種類作って、後はグリーンピースのスープかしらね?」
「今日も、プレイするみたいだし、ごちそうじゃなくてもいいですよ」
「あら、じゃあ、ガーリックはまずい?」
「麻衣さんは、原さんと一緒でしたよね?」
「えぇ」
「あの人にも食べさせるといいですよ」
「そんなことができるの?」
「出来ますよ。ご主人に言っておけば大丈夫です」
なんだか不思議な会話をしている気がしたが、この場所自体が既に不思議なのだから、今更、そんなことを考えるのは止そうと思った。
「とにかく、手間のかからないものだし、日持ちをするものもあるから、多めに作っておくわ」
麻衣の料理は手際が良かった。
タプナードにハマス、アボカドと卵で具ワカモレ風のディップを作り、同時にグリーンピースのスープを仕上げた。
ナスとズッキーニとトマトは重ね焼きにし、周囲にはおいしい匂いが漂っていた。