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無防備なきみに恋をする
第1章 誰にでもスキだらけ

"お嬢様"と"世話役"
主従関係に近い冬華と佐伯だが、数年ほど前から度々身体を重ねるようになった。
始まりはほんのささいなこと。
互いの欲求を満たし合うだけの、それ以上でもそれ以下でもない関係。いつもは冬華の方から求めることが多かったが、この日は違った。
公園の脇に車を停めた佐伯はそのまま車を降りて後部座席のドアを開いた。
公園に何か用事があるという訳では無いことは冬華も勘づいていて、この先何が起こるかまで見透かしていたが じっと冷静に佐伯を見据える。
「お嬢様は何も判ってらっしゃらない」
ぎし、と車体が傾く。
佐伯が後部座席に膝を付いて身を乗り込んだのだ。
そしてそのまま彼女の肩を押して、彼女の身体に衝撃が与えられないように背中に手を回して配慮しながら優しく座席に組み敷いた。
「貴女は一家の一人娘である以前に、一人の女性です。年頃の男と二人きりで個室に入ることが何を意味しているのかお分かりですか?」
「彼はただの先輩よ。カラオケで私の好きな曲を歌ってくれるって言っていたの」
下から真っ直ぐな目で見つめてくる姿に佐伯は眉をひそめて首元のネクタイを緩めた。
「お人好しも大概に。男という生物は隙あらば貴女のような女性に手を出す生き物です」
「っやめ、…佐伯っ」
「止めません。あの男に抱かれるくらいなら、私に抱かれてください…お嬢様。」
男の大きな手がブラウスを捲り上げるとさらりとした白い肌が晒され、冬華がその手を止めようと手を伸ばすと呆気なく手首を捕まれ頭の上で固定されてしまった。
淡い色の下着が見えるところまでブラウスを捲り上げたところで手を止めると、するりと下からブラジャーの中に手を忍ばせ 柔らかな膨らみを確かめるように揉みしだく。
「はぁ… 駄目、ドアが開いてる」
「… ドアを閉めたら続けても良い、と?」
「そんな、訳っ…」
佐伯は妖しげに口元を吊り上げて笑うと開きっぱなしだった後部座席のドアを閉めた。

