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Ate
第3章 ─絡まる恋心─
「…付き合い…かよく…んないけど……玲がどう思っ…るか分かんないし…」
 聞きにくい声を一生懸命に聞くと、玲は小さく笑った。
「お前いつから女になったんだよ」
 凛音はピクリと肩を揺らした。そして嗚咽を上げ鳴き始める。
「っ、ずっと女だしっ…」
 そんな凛音を見て玲は困ったような顔をした。十八となった今でも昔と変わらぬ扱い。それでは駄目なのか、と無骨な男子の思考は巡り巡る。
「俺は凛音のこと、好きだから」
 子猫を撫でるように優しく撫でられると、どんどん涙が溢れてくる。
「…友達として…、でしょ…」
「…よくわからん」
 時間がほしい、と聞こえるような物言いだった。凛音は小さく頷いてから顔を上げた。泣き顔はいつもより弱々しく彼女をみせる。
「返事は、…今度でいいから」
 それだけ言うと少し冷えたカフェオレを啜った。そして小さく微笑む。何事もなかったような、柔らかな笑みであった。
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