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第28章 ＢＬＵＥ ＢＩＲＤ

マリアが…微笑みの中に

悲しみを浮かべた表情で

車椅子を押す練習をしながらうつむく




マリア・・・ソイツはちがうぜ





って……ハッキリと

強くマリアに言えない俺がいた




俺は…言ってしまえば

マリアのその本音には

誰よりも、ってくらい共感してた







希望なんかに・・・なんの夢もねぇよ



〃希望〃なんか持つから



こんなに・・・〃絶望〃すんだよ








俺は…きっと、そんな風に

心の中では卑屈に

絶望しきっていたんだ







希望を捨てずにマリアは頑張ってきた


なのに・・・なんでこんな目に遭うんだよ？





不倫したからバチが当たった

そんな風に言われなきゃなんねぇのかよ？




罰でケガや病気になるのか？

俺は…そんなのは

それだけは絶対に違うと思う



それを・・・天罰だ、なんて言うなら


もっと……最低のヤツには




あの男には


そして・・・何より、誰より


この俺には


なんで同じように…罰がないんだよ？




マリアだけ？



おかしいだろ……？




そんなの




絶対に……おかしいじゃねぇか








そんな気持ちや

マリアに対する消せない罪悪感

懺悔にも似た気持ちを抱えた俺は





こんな時に？…って憎らしいくらい




楽しかった日々を思い出していた




楽しい？

俺らは出逢いから

そんな感情には無縁だっただろうに



いつも、冷や冷やしたり

びくびくしたりさ


時には喜びを称賛して

時には悲しみを乗り越えて


そんな風に

困難に立ち向かって

前を向く事を忘れずに

俺らはずっと闘ってきたけど



そんな日々でさえ



今は〃自由だった〃って言える気がした