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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
楽しかった日々……そこには

〃希望〃があったからだろうか



考えないようにしても

勝手に頭を廻る

マリアと過ごした日々



自由・・・それが連想する

一番の出来事は


二人であの田舎町に逃げて過ごした

あの幸せだった数日間


あれこそが

幻の日々のようになってしまった




マリアと…普通の男女みたいに
初めて堂々と…手を繋いで歩いて

心を…開放して
愛し合って

二人で…自分たちの足で
自由に好きな所に行って




そんな毎日が楽しくて、幸せで

不安の中に希望が溢れていた



いつかこれが〃当たり前〃になる

俺たちの願いは必ず叶う

そう信じていた




そんな日々から今の景色を見る

それは…

希望の果ての絶望




認めたくなくても

俺は腹の中で…心のどこかで

そう思っていた




あのまま…帰らなければ良かった

マリアを説得して

あの町に住めば良かった



歩く……たったそれだけの事


こんな事になるとわかっていたら

どんなに無茶をしても

名残惜しくても

あの日マリアを自分の手で確実に

実家に送り届けていれば良かった



せめて俺が…あの日

あのマンションに

行かなければ良かった



せめて…そうすれば

こんな事にまでは・・・







俺が思い出を廻らせれば廻らせる程

湧いてくるのは後悔の念

とりとめようのない〃タラレバ論〃



叶わない願いを…時に人は願う


〃あの時に戻れたら〃・・・と




絶対に叶わないのに

人は……願う



もしも、その瞬間(とき)に戻れても

きっと同じ事をしてしまうのに



もしも、やり直せたら

もしかして防げたかもしれない

なんて



人は……時に身勝手に願う






それは……俺に関しては、だけど


〃成るべくしてこうなった〃


なんて

マリアの事だけは…その過酷な現実を

俺はちっとも受け止めれなかったんだ








希望を捨てるな

諦めるな




散々マリアにそう言ってきた俺が


大きな困難に

悲しみも悔しさも

必死に堪えようと…

前を向こうと頑張っている

そんなマリアの横で



誰よりも絶望している




そんな最低な自分を自覚すればする程

俺はマリアに対する罪悪感を

募らせていた
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