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第28章 ＢＬＵＥ ＢＩＲＤ

気付くと二人で泣きながら

抱きしめ合っていた






『ゆぅちゃん・・・本当にありがとう

嬉しかった…それは……本当に

本当に……本当に』





『マリア・・・』





『私こそ…今、ゆぅちゃんに
何もしてあげられない

お願い・・・自分の事を一番に
ちゃんと考えて？

私は、大丈夫だから』







『っ……～～っ……っ、ぅ』







『別に…根拠も何もなく

ただそう言ってるんじゃないから

だから…安心して？』






『…っ、ｸﾞｽっ……・・・？』







『ぅんと……その
しぶとくてふてぶてしいけどね私(笑)

ちょっと切り替えとか
前向きに考えるのに

時間はまだ…かかるかも知れないけど
リハビリとか…色々やってみるから

諦めない事から始めてみるから…』






マリアは・・・強いやつ





だけど・・・強がってるやつ、でもある


自分で自分を勇気づけてる



それを…俺がジャマしてるようじゃ



その背を押してやれないようじゃ

ダメだぜな？俺…






『ほら…看護師さんに怒られるよ

ゆぅちゃん・・・帰って休んで？

今日は……ありがとう』





『うん・・・』






『ホントに…大丈夫だから

私も、ゆぅちゃんに対する気持ちとか

言葉に・・・ウソはつかないから

約束・・・するから』







『うん・・・』







病室を後にした俺は

この時まだ知らなかった


〃大丈夫〃と言ったマリアの言葉の

本当の意味


俺に心配させまいと

ただそう言ってると、正直思ってたんだ


その意味は

翌日に知ることになる