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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『明け方から…

熱を出して下がらないらしい』




ヤツが淡々と
一応は説明してくれた



意識も混濁するような高熱



頭の傷と直接関係あるかは微妙らしい

心的なものだったり、様々



でも……それは当然な気がした



突然…こんな事になって

体も治ってなければ

精神だって不安定になるのは当たり前だ





俺は……恐くなった




昨日の自分が、いかに軽々しく

バカげたことをマリアに言ったか



傷の回復は…順調かもしれない


でも容態が安定してるのとは別だ




そんなマリアを…本当に

連れ出して、どこかに逃げたりしたら




甘いバカげた考えをした自分を

ブン殴りたくなった





軽く見て良い事じゃないんだ





気持ちがあれば何とかなる?

愛があれば?

気合いだ?根性だ?





精神論

それじゃどうにもなんねぇことがある

むしろ、ならねぇことだらけだ



俺とマリアが、散々にそれを

身を持って知ってきたのに





何とかなるじゃ済まない


マリアは・・・体にも心にも

重傷を負った〃患者〃なんだ



その心を…不安にさせるような事ばっか

してたら元もこもねぇよな






カタ・・・




マリアの顔を見て

俺はすぐに場をはなれる





『・・・帰るのか?』




またも意外にヤツが言った








『目が覚めた彼女の前に…

俺とあんたが並んでいてみろ

心臓発作でも起こしたらどうする…』







考えりゃ……わかるだろうが






『ふ……珍しくまともな事を言うな?

ご苦労さん・・・せいぜい元気でな』





憎まれ口たたく元気は残ってるようだな


俺はさっさと病室を出た











『~~……こっちかな?』

『○○○号室……』




見舞い客とすれ違いながら

廊下を歩く



花束を下げた見舞い客

デカイ荷物を持った見舞い…?

いや、それはこれから入院か?



なんて…なんの気なしに

力なく歩く俺は






ピタ・・・




一瞬、足を止めて

振り返った




『・・・』




〃なんだ……?……なんか・・・今〃
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