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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第29章 果たされぬ・・・約束
俺は・・・〃乗り越えた〃訳じゃない
その事実に
自分で気付いてた
知らない土地に来て
新しい環境に慣れてきて
思い出しもしない
もう・・・忘れてる
それを・・・〃乗り越えた〃のだ、と
俺はどこかで思っていた
だけど、ふとした瞬間
ふとした言葉
そんなモンに触れる度に
俺は自分のなかに隠れてる
見えない・・・心の痛みのようなものに
チクチクと触れていたんだ
乗り越えたんじゃない
〃その事〃に
触れなくて良くなった、だけだ
目を背けても良くなった
それだけなんだ
俺は・・・変われていない
〃アイツ〃を・・・思わせる何かがあれば
心が苦しくなって
アイツを…揶揄されるかのような
そんな言葉に触れれば
心の奥底から
無限に怒りを覚えて
そんな自分を
ずっと隠して、押し殺したままなんだ
そんな痛みから…逃れるように
こなすだけの毎日
流れに逆らわない毎日を過ごして
平凡でいることに
俺は甘んじていたんだ
そんな痛みを隠すが故に
時には、今日みたいに
アイツにも…もう少しくらい
あんな女みたいな
したたかさのひとつでもあれば
アイツも苦労はしないだろうか…なんて
アイツとは…なんの関わりも
関係のない女性(ひと)を
不要に揶揄していたり
俺は・・・そんな俺自身の事が
誰よりも
何よりも、胸くそ悪かったんだ
前向きどころか
後ろ向き…投げやりも良いところ
卑屈で・・・塞ぎ込んで
そんな俺は・・・
そんな・・・今の俺の姿は
アイツが・・・描いた俺の未來
アイツが・・・望んでくれた
俺の生き方とは
程遠い生き方をしていた
その事実に
自分で気付いてた
知らない土地に来て
新しい環境に慣れてきて
思い出しもしない
もう・・・忘れてる
それを・・・〃乗り越えた〃のだ、と
俺はどこかで思っていた
だけど、ふとした瞬間
ふとした言葉
そんなモンに触れる度に
俺は自分のなかに隠れてる
見えない・・・心の痛みのようなものに
チクチクと触れていたんだ
乗り越えたんじゃない
〃その事〃に
触れなくて良くなった、だけだ
目を背けても良くなった
それだけなんだ
俺は・・・変われていない
〃アイツ〃を・・・思わせる何かがあれば
心が苦しくなって
アイツを…揶揄されるかのような
そんな言葉に触れれば
心の奥底から
無限に怒りを覚えて
そんな自分を
ずっと隠して、押し殺したままなんだ
そんな痛みから…逃れるように
こなすだけの毎日
流れに逆らわない毎日を過ごして
平凡でいることに
俺は甘んじていたんだ
そんな痛みを隠すが故に
時には、今日みたいに
アイツにも…もう少しくらい
あんな女みたいな
したたかさのひとつでもあれば
アイツも苦労はしないだろうか…なんて
アイツとは…なんの関わりも
関係のない女性(ひと)を
不要に揶揄していたり
俺は・・・そんな俺自身の事が
誰よりも
何よりも、胸くそ悪かったんだ
前向きどころか
後ろ向き…投げやりも良いところ
卑屈で・・・塞ぎ込んで
そんな俺は・・・
そんな・・・今の俺の姿は
アイツが・・・描いた俺の未來
アイツが・・・望んでくれた
俺の生き方とは
程遠い生き方をしていた