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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第7章 守りたい・・・
『ふふっ…でもどしたの?
そんなこと、聞くなんて』

『~?』


どうしたって・・・?

そりゃぁ

それなりに

ひっかかる事があるからだろうが。







普段から精神的暴力ふるって

ひどけりゃ強引に家から
閉め出すような旦那…


初めに会った時みたいな
ひどい状態になるよりは

そんな事になる前に
逃げて来いと…言ってるが



実際に
最悪の状態を招く前に
マリアは避難して来てるが…


それでも・・・嫌でも
気になることがあった。






『どした・・・ソレ?』





マリアの腕に
大きなアザがあった。



『・・・』


聞かれたくない…そんなことくらい
俺もわかっていた。



『それ・・・』

『転んだの』




『転んで…そんななるワケないだろ?』


明らかに、人為的な
人の手形みたいな青アザ。


『ぶつけたの…』

『・・・・・・』








『大したことない』

『マリア・・・麻痺すんなよ』



『もっと…辛い人とか
命に関わるような人もいる。
これくらい…』

『物量や程度の問題じゃないだろ?』



『平気だよ』

『なぁ・・・おい』





『身体の傷は・・・治るから』





俺にとって最悪の・・・

俺の最も嫌う

最も見過ごせない、その事実だ。
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