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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
【産婦人科にて】
待合室…
混み合っている病院は憂鬱なもの
けれど、この日の私は
待ち時間よりも
名前を呼ばれる瞬間の方が
憂鬱で
出来れば、まだ……まだ
来ないで、と
心のどこかで願っていた。
「タチバナさ~ん
診察室にお入り下さい」
『・・・』
なんて言う時に限って
有難いことに……
ほどなくして私の名前が
呼ばれた。
産婦人科にお世話になるのは初めてではない。
心配事や不調があったりとで
受診したことはあったし
結婚をしてからは特に
人並みに、いつかは
子どもも産みたい
そう願っていた時期があったから
責任感…義務感…
とまでは言わないけど
私も一人の人の妻…
私の身体の不具合で
それらに影響など及ぼしたら
相手である夫に申し訳ない
そして、やっぱり…
赤ちゃんが産めなくなってしまった…
なんていうのは
悲しいことだから
そんな事を避けるためにも
不調があれば、すぐに
かかりつけのクリニックを
受診するようにしたり
身体の健康には
私なりに気を配っていた。
若い時からずっとかかっていた
気さくで優しい
おばさん先生
女の子の悩みに寄り添う
文字通り女性の味方…
そんな先生だったから
ずっとお世話になり続けていた。
けれど私の受診理由が
年々変わっていって・・・
言ってしまえば家庭での
ストレスによる生理不順や
困難症・・・
様々な不調…
ついには夫に内緒で
ピルを服用し始めたことも
そのおばさん先生は
全て知っている。
なんでも相談できる
お母さんみたいな
お医者さん
なんていうのは
私のちょっとした昔話。
今は…状況も
環境も
変わってしまったんだ。
待合室…
混み合っている病院は憂鬱なもの
けれど、この日の私は
待ち時間よりも
名前を呼ばれる瞬間の方が
憂鬱で
出来れば、まだ……まだ
来ないで、と
心のどこかで願っていた。
「タチバナさ~ん
診察室にお入り下さい」
『・・・』
なんて言う時に限って
有難いことに……
ほどなくして私の名前が
呼ばれた。
産婦人科にお世話になるのは初めてではない。
心配事や不調があったりとで
受診したことはあったし
結婚をしてからは特に
人並みに、いつかは
子どもも産みたい
そう願っていた時期があったから
責任感…義務感…
とまでは言わないけど
私も一人の人の妻…
私の身体の不具合で
それらに影響など及ぼしたら
相手である夫に申し訳ない
そして、やっぱり…
赤ちゃんが産めなくなってしまった…
なんていうのは
悲しいことだから
そんな事を避けるためにも
不調があれば、すぐに
かかりつけのクリニックを
受診するようにしたり
身体の健康には
私なりに気を配っていた。
若い時からずっとかかっていた
気さくで優しい
おばさん先生
女の子の悩みに寄り添う
文字通り女性の味方…
そんな先生だったから
ずっとお世話になり続けていた。
けれど私の受診理由が
年々変わっていって・・・
言ってしまえば家庭での
ストレスによる生理不順や
困難症・・・
様々な不調…
ついには夫に内緒で
ピルを服用し始めたことも
そのおばさん先生は
全て知っている。
なんでも相談できる
お母さんみたいな
お医者さん
なんていうのは
私のちょっとした昔話。
今は…状況も
環境も
変わってしまったんだ。