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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
カシャ・・・・カチャカチャ


カシャン・・・



手術台に固定された私の横で
同じ看護師さんが
忙しなく手術道具を揃えてる



手術台の上で両脚を広げたままの私…

看護師さん以外…医師も誰も
いないけれど

人に見られる訳ではないけど
前も何も隠さず、そのまま
こんな姿で…待っている




・・・恥ずかしい



のは、もちろんだけど



そんなことを感じる余裕さえ
なかったように思う。




私が感じてたのは


多分…




〃こわい・・・〃





これが一番だったと思う。





手術台に登る前から
小刻みに震えてた手や脚は
今も震えて
どんどん冷たくなっていく。






カシャン・・・カチャカチャ・・・カシャ









音のない手術室・・・



するのは自分の心臓の音と


金属音のような
道具を用意する無機質な音だけ。






ドクン・・・ドクン







〃こわい・・・〃








こわい・・・?



そんなこと・・・思っちゃいけない。


私に…そんな資格ない。






「大丈夫?」





ずっと…ロボットみたいに
無言で動いていた看護師さんが

私の方を振り向いて
声をかけてきた。




テキパキと…感情もないみたいに

私と違って

これからここで起こることに
さぞ慣れてるのだろうな

なんて思わせるような雰囲気だった
看護師さんが




なんで?

と思ったら
その原因は私にあったようだ


『・・・~~っ』


「……恐いの?」



私は気付くと涙を流してたようで
それに気付いた看護師さんが

ガーゼで涙を拭いてくれていた。




「緊張してるのかな…?」




そう言いつつも
私に点滴を施して
時計を見ながら
手術の準備を進める看護師さん…


「辛いかな?」



私の下半身の辺りに
さりげに視線を送って
聞いてきた


私は既に受けていた
手術の前処置で
お腹や腰に痛みを感じていた







こわい……いたい…つらい?





私がそんなこと・・・

言う資格なんか

ない。



本当に…辛いのは


可哀想なのは


何も知らずに


まだ〃ここ〃で


生きている


奪われる命だから。



私は・・・今から


小さな〃命〃を


奪うのだから
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