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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯
ドクン…ドクン…ドクン


俺は胸にしがみついてるミユに
自分の心臓の音を聞かれやしないかと
必死だった





『ハハっ…~ミユチャンよぉ~?

さっきっからフリンフリンてオメェさぁ!?

いくら俺にでも失礼じゃねぇ?!

親しき仲にもナンチャラってヤツだろぉ?

あ?〃プリン〃でも食いてぇのかっ?♪』






『・・・・・・』





トン…



ミユが俺から離れる










ごまかしが・・・効かない空気

気のせいなのか

でも・・・〃出来ない〃は

通用しない




なんとか・・・〃する〃んだ








・・・って?









『おい・・・』




バサ…



バサ…バサ




『・・・』





スルスル・・・





『ミユ・・・なにやってん』






『・・・』







『おいっ・・・』










『いつもふざけてても…今日は
シノくんみたいに、ふざけてないよ』








『~~・・・』









『あたしは・・・ふざけてない』










ミユが目の前で
スーツやら服を脱ぎ捨てて
下着姿で俺の前に立つ・・・










『ざけんなって・・・』






『ふざけてない・・・あたし
シノくん止める・・・

あたしが、シノくん…守る
あたしが・・・そばにいる』
















『・・・服・・・着ろ』








俺が動揺してるのは
目の前の女の姿なのか…
かけられた疑惑になのか…





どちらにしても・・・冷静に

真顔になる





『服着ろ・・・』








『・・・』








『俺はミユと…そんな間柄にはならない』








『・・・何も・・・感じないの?』









俺の守るもんは・・・決まってる



揺らいでなんかいられねぇんだ









『感じねぇ・・・』







『・・・っ…』










『〃何とも〃思わねぇ・・・』







それを…守るために


何者にも、揺らぎも動じもしない・・・










『どぉしてよぉ……っ』








『・・・』







ごめんな・・・ミユ













『不倫相手が・・・いるからっ?!』
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