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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
気付くと俺は大声でミユを怒鳴っていた
周知の事実を…
当たり前の事を言っても無意味…
無駄な事はわかっていた
コイツを責めても時間は戻らない
たとえたった1秒でも
過ぎ去りし瞬間(とき)は・・・戻せない
ぶつけずに・・・いられない
他に、ぶつけようがなかった
そしてすぐに自分の意識も視線も
救急車に乗るマリアに戻した
『マリア…っ。~あの大丈夫ですよね?
大丈夫ですよねっ・・・?!』
救急隊員に向けて、すがるように
俺は根拠のない〃安心〃を求めた
『大丈夫ですよね…!?
〃ふたりとも〃・・・大丈夫ですよねっ?!』
隊員は明確には何も答えてはくれなかった
はやく・・・はやく運んでくれよ
「すみません付き添いは…」
受け入れ先の確認が済んで
隊員の声がかかる
俺は返事もせずに
救急車に乗り込む
『あたし・・・どうしよ…あたし』
何も聞こえてないみたいに
ブツブツと同じ事を繰り返し
一人ガタガタ震えてるミユ
『・・・チッ』
何を思ったか俺は
近くで突っ立ってるミユの手を
力任せに引っ張って
とりあえず救急車に乗せた
とにかく急いでくれよ…はやく
『マリア・・・』
冷静なんかじゃない…正直…まったく
俺はマリアを見つめ
必死に自分に言い聞かせていた
大丈夫・・・
大丈夫だ
今から病院に行くんだ…
大丈夫に決まってる
大丈夫・・・
病院に行けば…なんとかなる
そんな・・・ひでぇことばっか
早々起こるワケじゃねぇよ
大丈夫・・・
マリアは・・・つよいかぁちゃんだ
そんな・・・
テレビやなんかじゃあるまいし
妊婦が少し転んだとか
少しこけたとかで
ドラマやなんかみてぇにさ
必ずしも、そんなよぉ・・・
大丈夫・・・
うろたえてばっかいんじゃねぇよ俺・・・
って…頭ん中で
言い聞かせてた
大丈夫・・・そう思ってる
なのに・・・よ
なんで・・・マリア
なんでマリア・・・
下から・・・血ぃ流してんだよ・・・
周知の事実を…
当たり前の事を言っても無意味…
無駄な事はわかっていた
コイツを責めても時間は戻らない
たとえたった1秒でも
過ぎ去りし瞬間(とき)は・・・戻せない
ぶつけずに・・・いられない
他に、ぶつけようがなかった
そしてすぐに自分の意識も視線も
救急車に乗るマリアに戻した
『マリア…っ。~あの大丈夫ですよね?
大丈夫ですよねっ・・・?!』
救急隊員に向けて、すがるように
俺は根拠のない〃安心〃を求めた
『大丈夫ですよね…!?
〃ふたりとも〃・・・大丈夫ですよねっ?!』
隊員は明確には何も答えてはくれなかった
はやく・・・はやく運んでくれよ
「すみません付き添いは…」
受け入れ先の確認が済んで
隊員の声がかかる
俺は返事もせずに
救急車に乗り込む
『あたし・・・どうしよ…あたし』
何も聞こえてないみたいに
ブツブツと同じ事を繰り返し
一人ガタガタ震えてるミユ
『・・・チッ』
何を思ったか俺は
近くで突っ立ってるミユの手を
力任せに引っ張って
とりあえず救急車に乗せた
とにかく急いでくれよ…はやく
『マリア・・・』
冷静なんかじゃない…正直…まったく
俺はマリアを見つめ
必死に自分に言い聞かせていた
大丈夫・・・
大丈夫だ
今から病院に行くんだ…
大丈夫に決まってる
大丈夫・・・
病院に行けば…なんとかなる
そんな・・・ひでぇことばっか
早々起こるワケじゃねぇよ
大丈夫・・・
マリアは・・・つよいかぁちゃんだ
そんな・・・
テレビやなんかじゃあるまいし
妊婦が少し転んだとか
少しこけたとかで
ドラマやなんかみてぇにさ
必ずしも、そんなよぉ・・・
大丈夫・・・
うろたえてばっかいんじゃねぇよ俺・・・
って…頭ん中で
言い聞かせてた
大丈夫・・・そう思ってる
なのに・・・よ
なんで・・・マリア
なんでマリア・・・
下から・・・血ぃ流してんだよ・・・