この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
『泣いても仕方がないだろう…』






俺・・・耳を疑った


確かに…あんたにとっても突然で
思いがけない出来事だ


あんたも…驚き、動揺して
駆けつけて苦渋の決断をしたはずだ


悲しみが大きすぎて…その現実が
マリアの姿が痛々し過ぎて


かける言葉がなくて
たまたま言ったのかもしれねぇよ?…


でも…さ






『〃お前は〃無事だったんだ…

また〃次が〃あるだろう・・・』







・・・・・・。






そういう…理屈じゃ



ねぇんじゃねぇの?







『俺は仕事に戻るからな?
退院する日は迎えに来るから』







仕事・・・って





そりゃ急な呼び出しで
駆けつけただろうよ





仕事は大事だ…


食ってく為に…奥さんや家族

守ってくために

疎かに出来ねぇよ





けど…こんな時に

それは、ありなのか?





一緒になって泣いてても
なんにもなんねぇ


そんな言い分もあるかもしれねぇ



気丈にしてたくても
突然の悲しみがあまりに深すぎて


仕事でもしないと
自分を保てねぇとかかもしれねぇ








けどさ・・・

こんな時にまで

マリアは〃ひとり〃哀しむのか?





哀しんでるのは…
あんたが10年も一緒にいた

まだ〃やり直したい〃と思ってる
大事な〃奥さん〃なんだろ?



死んでしまったのは・・・


あんたと、マリアの…


あんたの・・・〃自分の子〃だろう?








マリアが今感じてる
身体の痛みは


俺になんか到底わからない
もちろん…あんたにも


代わってやることも
一緒に感じてやることも出来ない


マリアが今感じてる
心の痛みも

自分の身を引き裂かれるより辛い
そんな心の痛みを

どんなにわかろうとしたって
同じように感じてやることなんか
絶対に出来ないんだ


俺にも、あんたにも…

マリア以外・・・誰にも




マリアの感じてる

身体の痛みも、心の痛みも

代わってやることも
完全に分かち合うことも
俺らには…出来ないことなんだ






だったら…




だったら…せめて





それなら…せめて






どうして





その〃痛み〃や〃哀しみ〃に



寄り添ってやろうとしないんだよ



あんた・・・
/1222ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ