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第17章 翼を・・・ください

『〃あの子〃はいなくなった・・・

でも…代わりに

〃取られる心配〃もなくなった』






マリアは少し泣くのをこらえて
言葉を絞り出した




『・・・』




俺はマリアに渡されたものを
受け取った




切り替える・・・そんな簡単でもなければ

そんな事が出来る事でもない

そう思うけど




マリアも俺も・・・

前に進むことしか出来ないのだから








『マリア・・・ごめん』




『・・・？』




謝って…済むことじゃない





『本当にごめん・・・』




『ゆぅちゃん・・・どうして

どうして、ゆぅちゃんが謝るの？

ゆぅちゃんはなにも・・・』









なにも関係なく・・・なんかない

なにも悪くない・・・ワケがないんだ

確実に・・・俺は







悔やんだって何も生まれない…


責めたって・・・


だけど俺は自分を責めずにいられなかった






俺の・・・せいだ






俺との事がなければ

ミユが、あんな暴挙に出て

マリアにあんなことはしなかったはずだ


こんな事は起こらなかったはずだ



マリアも…子どもも

こんなひでぇ目には
遭わずに済んだハズなんだ




俺といなければ・・・マリアは




俺のせいなんだ・・・




俺が…死なせたようなもんだ・・・





俺のせいなんだ・・・









『ごめん・・・っ』






俺はマリアに向けて


マリアと旅立った子どもに向けて


いつの間にか深く頭を下げてた・・・











『・・・ゆぅちゃん・・・は』




マリアが…呟くみたいに口を開いた