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第18章 捕らえられた・・・かごのとり

『おい待てよマリア！
本気で言ってるのか？！』



『うん・・・こればかりは仕方ないから』





マリアはあの男に…
旦那に会いに行くって言うんだよ





『病院に出さなきゃいけない書類の…
期日が迫ってて
それを、あの人が持ってるから…』




『だからって…会うなんて

弁護士に言ってあるのか？！』





『～それも・・・色々と話がまだだから
今回のことも一段落ついて…それから
まとめて報告しようと思ってる

…じゃないと話が無限ループって言うか
もう・・・ごちゃごちゃで』




そりゃ…確かにそうだぜ
マリアは身体も精神的にも
今はボロボロに弱ってる






『だからって・・・
〃なんか〃あったら、どーすんだよ？！』





これ以上・・・マリアの身に
なんかあったら

そう思うと俺さ…
いてもたってもいられねぇよ








『・・・。いつ…どこで

なにがあるか・・・なんて

わからないのは…誰しもおんなじだよ…

明日生きてる…その保証でさえ
誰にもないんだから・・・』








『・・・』






マリアの言葉が…

身体のど真ん中にグサリと刺さった

そんな感覚がした・・・



マリアが言うと…

あまりにも説得力が、ありすぎて・・・






『・・・一緒に行く』





『ゆぅちゃん・・・ダメ』







『近くまで…一緒に』







『ゆぅちゃん・・・冷静になって』








『マリアに〃もしも〃の〃なにか〃なんて
あったら困るんだよ・・・！』







『・・・』







『そんなの…っ、俺は
二度と御免だからなっ・・・』






あの男とマリアが接触する・・・

俺にとって
何物よりも危険と恐怖を感じる事だ









『・・・・・・ごめん』








『・・・～～っ』







『書類……紙切れ一枚
受け取るだけだから』






『・・・っ』







『ごめんね、ゆぅちゃん・・・
心配ばっかかけて。…大丈夫よ

向こうも…書類一枚出しに行く暇もない程
忙しいみたいだから

私に構ってるほど暇じゃないよ(笑)
大丈夫…』






胸騒ぎばっかすんのは…
俺がおかしいのか？