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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
『…うっ・・・うっ』



マリアはマットの上に戻り
膝を抱えて座っていた





〃泣いてる…場合じゃない…考えなきゃ〃








ガチャ…







ビクっ・・・







ドアが開いて
重い空間と共にカズキが姿を現す









『・・・晩飯』








マリアが繋がれているテーブルの上に
無造作にコンビニの袋が置かれた








『カズキ・・・』


『・・・』





ジャラ・・・ジャリ







カズキが無言で
マリアの足の拘束を解いた






気が済んだ?

さすがに我にかえったのか?








『あり・・・がとう』



マリアは立ち上がろうとした









『飯食ったら風呂に入って早く寝ろ。
妊娠するのには規則正しい生活習慣が
一番らしいぞ…』





『・・・・・・』







〃本気で…言ってるの?それとも…〃










『シャワー…借りるね』




マリアは風呂場に足を進めた








食事など無論
喉を通らない






風呂から出ると
直ぐに部屋に押し込まれる



マリアはリビングをさりげに見渡して
来たときに落とした自分の手荷物の
所在を探す…


〃ソファの上・・・中身は見られたかな?〃



手ぶら同然で来たために…
ユウトにもらった方のケータイを家に
置いてきたのは不幸中の幸い・・・

その点だけに安堵して
マリアは部屋に入る




『・・・家事…やるようになったんだね』




この男が一人で住んでいる…にしては
キレイに片付いている家


マリアはつい…なんとなく
口に出していた




『ハハ・・・週に2、3日家事代行呼んでる

〃おかげで〃な・・・』





『・・・』




余計な事を言ってしまった…と

マリアは後悔した






『まぁ…今後はもう必要なくなるがな』







『カズキ・・・私も仕事があるから
帰らないといけないの』






『はははっ…そんなもん、いくらでも
代わりもいて、いつでも辞められるだろう?』





カズキは鼻で笑った
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