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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
マリアの言葉に衝撃を受けつつ

かといって
その真意は・・・?


と疑問符を浮かべる俺の様子をみて
マリアは続けた





『〃自分のもの〃になるまで

〃飼い慣らす〃までは…
手塩にかけて・・・いくらでも
いくらでも優しくできるの

でも……罠にかかれば

自分の元に置くことが出来てしまえば

自分の元から・・・逃げられない

一度そうしてしまえば
もう優しくする必要はない

釣った魚に・・・エサはいらない

あの人は
そういう男・・・』







『・・・』




ゴク……っ



言葉を返せず
俺の喉が鳴った






それは・・・マリアの
結婚生活そのものだ





『あは…残念ながら・・・結婚する前に
あたしはそれに…気付けなかったんだな

だから・・・こうなった。

そんな……自分の〃所有物〃が
ある時、夫に歯向かって
逃げ出した・・・

まさか逆らわないだろう…
そう思っていた…自分より
生活能力もなにもない所有物が
逃げ出した

だから許せなくて
躍起になって追ってきたの

死んでも自由にしてやるものか、って

きっと・・・それだけだから』






『・・・』



ケロっと言ってくれてるが・・・

俺は驚愕してるぜ?






『だから・・・もう一度
自分の〃所有物〃にすれば
きっと気が済むよ、あの人

買ったら満足……使わない
それと同じ

あの人が自分の都合で…気分で
自分が必要な時にだけ

〃いつでも〃使えれば
それでいいの

それが…あの人が私に求めてたこと

自分の目の届く…自分の箱庭の中に
自分の思うように、ただ私がいればいい

逃げたら制裁をくわえる
逃げなければ…追われない』








だから・・・逃げようとせず

じっとしていたってのか





『……もちろん、私
そのままここに戻る気なんかないし

ほんと…仕方ないから
失業は覚悟だけど

ドアが開くのを待ってたの』






『・・・わかんねぇだろ?でも

このまま・・・お前を
閉じ込める気かもしんねぇだろ?!』







『ふふ・・・わかるよ

私・・・これでも10年

あの人といたんだよ?』


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