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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第20章 二人の罪・・・そして罰
『この期に及んで
綺麗事は……ナシだ』




人間、欲望のままになんて
生きられない


だけど時に・・・なにをどう足掻いても
飲み込めないこともある


ゆずれないことも・・・ある






マリアを軽く抱き寄せて
頭を撫でた






『ふふ・・・うん、今更だもんね』



『だろ?…♪』







『でも…往生際わるいな、私』



『悪くねぇよ・・・別れんだから』







今まさに…その手をはなそうとしている


そんな時なのに…

俺とマリアは笑っていた


少し涙をこらえて…笑っていた







『ゆぅちゃん・・・』

『あぁ・・・わかってる』




俺はマリアをはなして…少し

一歩後ろに下がるようにはなれた





『ゆぅちゃん、・・・っん…!?』




何か言おうとしたマリアが
違和感を訴えるように一瞬…
目をこすった





『・・・どした?…ゴミでも入った?』



『・・・、ううん…何か光った?』






『??・・・いや?』



『・・・』






『雷・・・?まさかな(笑)』



『・・・』



マリアが視界を確かめてるのか
目を左右にキョロキョロさせた






『あ、じゃあ…雨でも降りだすと悪いね

ゆぅちゃん・・・早く』






『?……あぁ、でもマリア』


『大丈夫、大丈夫…ちょっと砂埃…』






マリアが俺の背を押して
向きを変えさせた







『気をつけて…ゆぅちゃん』


『・・・』




『ほら……行って?雨降るよ
駅まで遠いんだから』


『・・・うん』





背中越しのマリアの声が

名残惜しく響いた





『早く・・・走って』





『・・・オーゲサ(笑)雨くらいで』




『うん…』







『じゃあな・・・マリア』






俺はいつもみたいな


まるで2、3日したら
また会えるみたいな口調で


マリアに別れを告げた







『うん・・・さよなら』






『・・・』





マリアの一言を最後に

俺とマリアはお互いから




その場からはなれた





カンカンカン…っ




マリアがアパートの階段を
かけ上がる様子を

少し横目に見て
俺は足を進めた
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