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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第20章 二人の罪・・・そして罰
マリアの気持ちは…わかってたよ




マリアがなりふりかまわず

捨て身で俺を守ろうとしてくれたことも





でもな

そういう訳には…いかねぇだろ?








こうなることは・・・






〃最悪〃の事態が起これば

こうなることは

俺はとっくに覚悟してたはずなんだから









『ちがう・・・ちがうっ

ちがうってば…全然ちがう!

私は、その人なんか知らないっ』






もはやはちゃめちゃな
マリアの様子と、その言動は

マリア自身を追い詰め
何よりは旦那を喜ばせるだけだった





『カズキっ…ちがうよ!ちがうってば

本当は…私がっ

全部・・・私…っ・・・』







『ふっ・・・仲良く

傷の舐め合い・庇い合いか

美しいね?……って?』





『ちがう…ちがうっ…ちがうぅっ…!』




『・・・』







…うっせぇーーーよ


このDVエリートクンがよぉ・・・








ってのは


謝っておきながら

俺が腹ん中で思ってることね







マリアを庇ってる?


ちげーよバーカ







わりぃことしたら…償う




そんだけの話だろうが

















『まりあ~?…安心しろ』




『ちがう・・・ちがう・・・ちがう』





力なく座り…へたりこんで
泣いているマリアの耳元に

男が甘ったるげに
声をかける







『俺はお前が思うような〃鬼〃じゃないぞ』









鬼・・・?



鬼のがいくらかマトモだぜきっと






俺は顔をしかめて
その声を聞いていた


















『二度と会うな』








『っ…っ…っ…』


『・・・』












『それが・・・条件だ』
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