この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第20章 二人の罪・・・そして罰

『手を・・・はなして』
マリアは引かれる手を
引き返して止まった
『・・・。地平線のごとく
バカな女だなお前は
救いようがない』
『・・・』
『現実を見ろ?
まりあ、お前は精々
この汚いボロ屋敷でカツカツで
生活してるのが、やっとだったろう?
そりゃそうだ!
そんなもんだ
何を意地になってる?
若い男に少しちやほやされて
勘違いしてるのか?
ははっ!良かったなぁ!?
まだ〃女〃に見てもらえて
野蛮な生活して
挙げ句不倫までして
楽しかったか!?』
夫の言葉に
髪を振り乱して
ぐったりしたマリアは
ゆっくりと顔を上げていく
『不潔な関係とは言え…よくも
こんな小汚ない家に男を
連れ込めたなぁ、お前…ハハ』
『・・・幸せだったよ』
『ハハハ・・・、?…なに』
『働けば…ちゃんとお給料がもらえて
そのお金で…自分の力で生活して
職場や…周りの人は優しくて
あったかくて
忙しくても、疲れても…
お金は沢山なくても
毎日…幸せだった』
『・・・』
思いもよらぬ…マリアの返答
旦那の呆気にとられたような顔は
それを物語る
『あなたの言うところの
〃私ごとき〃…でも
頑張れば…誉めてくれる人がいたり
必要としてくれたり信用してくれたり
ありがとうって言ってくれる人がいて
誰も・・・誰一人…っ
あなたみたいに私をバカにしたり
否定したり…
私を踏みつけて…ロボットみたいに
しいたげたりしなかった』
『・・・勘違いも甚だしいな
あまりに愚かで哀れまれてたんだろ』
『それでも・・・私は確かに
うんと・・・幸せだった』
『・・・』
マリアは引かれる手を
引き返して止まった
『・・・。地平線のごとく
バカな女だなお前は
救いようがない』
『・・・』
『現実を見ろ?
まりあ、お前は精々
この汚いボロ屋敷でカツカツで
生活してるのが、やっとだったろう?
そりゃそうだ!
そんなもんだ
何を意地になってる?
若い男に少しちやほやされて
勘違いしてるのか?
ははっ!良かったなぁ!?
まだ〃女〃に見てもらえて
野蛮な生活して
挙げ句不倫までして
楽しかったか!?』
夫の言葉に
髪を振り乱して
ぐったりしたマリアは
ゆっくりと顔を上げていく
『不潔な関係とは言え…よくも
こんな小汚ない家に男を
連れ込めたなぁ、お前…ハハ』
『・・・幸せだったよ』
『ハハハ・・・、?…なに』
『働けば…ちゃんとお給料がもらえて
そのお金で…自分の力で生活して
職場や…周りの人は優しくて
あったかくて
忙しくても、疲れても…
お金は沢山なくても
毎日…幸せだった』
『・・・』
思いもよらぬ…マリアの返答
旦那の呆気にとられたような顔は
それを物語る
『あなたの言うところの
〃私ごとき〃…でも
頑張れば…誉めてくれる人がいたり
必要としてくれたり信用してくれたり
ありがとうって言ってくれる人がいて
誰も・・・誰一人…っ
あなたみたいに私をバカにしたり
否定したり…
私を踏みつけて…ロボットみたいに
しいたげたりしなかった』
『・・・勘違いも甚だしいな
あまりに愚かで哀れまれてたんだろ』
『それでも・・・私は確かに
うんと・・・幸せだった』
『・・・』

