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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第21章 覚めない悪夢(ゆめ)・・・
真に受けるのも馬鹿馬鹿しい…
子どもじみた……それも執拗で
とりとめのない嫌がらせに
マリアは理不尽さを堪えた





『じゃあ…どうすればいいの?』



『自分で考えたら?…
一人で生きていこうとしてたんだろ?
〃それでも〃さ…』




『・・・~~』





マリアはキッチンに向かう


家政婦の買い出しした物も尽きていて
冷蔵庫は空だった



ガサゴソ・・・


マリアは戸棚を探した


『・・・』





震えながら電気ケトルにお湯を沸かす






コトン・・・





マリアはお湯を入れたカップ麺を
テーブルの上に置いた




『何これ…』




『もうすぐ…荷物届くと思うから
食べて…待っててもらえないかな?』




〃こんなもの…出したら出したで
余計に怒るだろうに・・・〃






『フフ、おい…まりあ
男は仕事でクタクタに疲れて
帰って来てるんだぞ・・・?』




『・・・』





『デタラメなことするヤツは…

どこまでもデタラメだよなぁ?』






『カズキ・・・?っ』





『・・・っ!!!』









バシャッ…








『っきゃあぁ・・・熱い…っ…っ』






熱湯も同然のカップ麺を
カズキはマリアめがけて投げつけた






『っう・・・~~』



咄嗟にガードしたマリアの腕に
飛び出した中身がバッサリとかかった





ピンポーン・・・





『…荷物来たんじゃないのか?』


『っ…っ…~~』




『風呂入ってくる』






カズキはマリアを残して風呂場に行く







マリアは真っ赤に火傷した腕を
冷やす間もなく

宅配物を受け取り
床を片付けた






追い詰められたように
カズキが風呂から出てくるまでに
食事を作る







『お待たせ・・・』


『・・・食わないのか?』





『私は・・・いい』



こんな事をしても
顔色ひとつ変えない夫に寒気がして
習慣のようにマリアは自室に逃げ込む





『おい…そこはお前の部屋じゃない
言っただろう…』



『・・・』



マリアは引き返した




『ビール取って・・・』



『・・・はい』


カズキが食事をする間
マリアはキッチンに隠れて
腕を冷やした
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