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第23章 逃避行・・・

俺はマリアの手を無理矢理引っ張って
ホテル街をそのまま進んだ




『ちょっと…!?はなしてよ…っ』




『あん？何言ってんだよ
客探してたんだろーが…

運良く〃寝床付き〃の有難い客だぜ？
さっさと来いよ』








『～～～っ、ふざけないでよ！』





『あー、明日からの盆休みも
予定もねぇしよ、今日はゆっくりするぜ

あちぃし…仕事はかったりぃしよ
この所、何かとムシャクシャしてたんだよな

〃鬱憤を晴らす〃に
ちょうど良かったぜ・・・』






『っっ、やめてよっ…！！』






ピタ・・・


俺は一度足を止めた








『何嫌がってんだよ・・・

お前…〃そーゆーオンナ〃なんだろ？』





『・・・っ』







マリアを黙らせて
再び歩き出す







『俺は朝までゆっくりだからさ
せいぜい楽しませてくれ？

そゆことだから・・・今夜はヨロシクね？
〃ジャスミン〃ちゃん…』







俺は手をグイグイと引きながら

ソイツをもう〃マリア〃と
呼ばなかった



下劣な男共の…性欲のはけ口になる

〃そんな女〃が…マリアだなんて

思いたく……信じたくなかった





〃コイツは…こんなオンナ

マリアじゃねぇ・・・〃








そう言い聞かせながら俺は

俺が根底で思ってた事は




〃俺が今…この手を離せば

マリアは・・・また別の

知らないオヤジのとこに行って

抱かれる〃




なんてことだろうな・・・







どうせ…何も出来ないくせに

助けてなんかやれないくせに



俺は、その場しのぎみたいに

ただただその手を引いて歩いてた






ちっちぇよな・・・俺