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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
マリアの手を引いて
賑やかな祭りの通りを抜ける


『私も浴衣着たいな♪…』


『無駄に似合いそう(笑)』



つぅか和服ってやっぱドキッとしねぇ?



『マリア着付け出来んの?』


『ふふ~ん♪私結構お着物とか好きなの
実は着付けも出来るノダ♪』



『マジか?じゃ今度着てくれよ♪』


『・・・ふふ……う…うん…っ』




なぜテレる?(笑)

忙しいヤツめ







・・・なんて



ノンキこいてた俺らが

たどり着いた宿泊先は・・・








・・・・・・ラブホ




(苦笑)









『~とりあえず寝れるから良いだろ』


『ん~十分すぎる・・・快適快適♪』




『しっかし…これだけは不便だな』


スーツやら鞄をまとめた
重いボストンバックをドカっと
床に置いてぼやいた



『明日は…日中とか動く時間は
コインロッカー使うのはどうかな?』


『お♪さすが元ホームレス(笑)』




『ある意味…今もホームレスです(笑)』





・・・シャレになんねぇぜ(苦笑)






『あ~~…マリア・・・でさ
その話なんだけど・・・その』



『ふふ・・・私もおんなじこと思ってた』



『明日…じっくりしようぜ?(苦笑)』




行き当たりバッタリなりに

何かと臨機応変にな…?





疲れも抜けないまま
少々はしゃいだ俺たちは

今日の所はじっくりと
休むことにした




『あ、ゆぅちゃん…でも
ひとつだけ・・・。お仕事って…』



『盆休みだから…とりあえず大丈夫』




『それは…ホントだったんだね。良かった』






だから・・・何かを考えるにも

行動するにも

一端の猶予はある





マリアといる・・・この空間と時間に

浸っていたいけど



俺は…少なからずの〃決断〃を

しなければならないことは

わかっていた




いや・・・昨晩

マリアの手を引いて

走り出した時から…薄々決めていたこと



だから・・・当てもなく

飛び出したんだ






『ゆぅちゃん…お風呂張ったけど入る?』


『・・・うん』





今は・・・今夜この時間は

マリアと寄り添って

じっくり疲れを癒したいんだ
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