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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
『マリア…』


『ヤダ……ダメ…』




マリアは繋いだ両手をほどいて
俺を拒んだ


『チュ……』


体をよじらせてはなれたマリアを
ゆっくり抱き寄せて
キスを繰り返した



『ゆぅ…ちゃん…っ、んっ…んん』

『チュ……チュッ、・・・チュ』



暗闇の中…リップ音はやたらと目立つ




『マリア…せっかく側にいれるんだ
もっと近くにいてくれよ』


『~~っ・・・』





俺は手探りして
ベットのライトに手を伸ばし
スイッチを入れた



暗闇だった部屋が
オレンジのライトで
ぼんやりとライトアップされる



『っっ・・・』


『・・・マリア』





マリアは眩しそうに目を閉ざし
そっとあけて
潤んだ瞳で俺を見つめた




『・・・チュゥ……チュパ』



泣きそうなマリアの表情を
少し掻き消すように

俺はマリアのバスローブをずらして
首筋や胸元にキスした




『っ…ゆぅちゃん…っ…やめて…』




キスしながら…バスローブに
手ぇ突っ込んで胸触ったら
マリアはついに声をあげた…





『マリア…』







『私が…っ……〃何してたか〃…

知ってるでしょう…っ…?!』





『・・・』







シン・・・





部屋の中が再び静寂に包まれた






確かにな…マリア

マリアは昨日まで

体売ってたぜ…?





消えない事実





それに対して俺は

マリアに何を伝えたら良いだろう?




それに至ったマリアの心の傷…

体の傷…


そして、マリアの新しい傷となった

忌まわしい記憶…


そんな…計り知れない

底抜けのマリアの痛みに…俺は

一体何を・・・










『マリアは……マリアだろ?』





『っ…』




いつか…マリアが俺を救ってくれた言葉

俺はそんな言葉をかけていた






『俺は…それを知ってるから』








せめてマリアに

俺に対する罪悪感なんて

感じてほしくなかった



マリアが罪悪感を感じるほど

マリアが自分を責めるほど

俺はマリアを・・・

ちっとも責めてなんかいない



それを・・・正直に伝えたんだ





『それでも辛けりゃ…忘れちまえ』


『ゆぅ…』









『俺が・・・忘れさせてやるから』
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