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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?

『ゆ・・・優人っ!…何を言うのよ!?』
『・・・』
ザワザワ・・・と
人数に対してざわめきを増す部屋の中
『ユウト…!何をバカなこと言ってるの?!』
母親が俺の手から
書類を引ったくった
俺とマリアは・・・俺は
俺は・・・マリアと〃約束〃したんだ
「篠宮さん…どういうおつもりでしょう?」
弁護士が首を傾げて俺を見た
『つもりも何もありません
署名できないと言いました』
『~~っユウト!バカなこと言わないでよっ』
書類を引ったくった母親が
動揺しきってペンに手を伸ばした
「!?お母さんっ…困りますよ!?
代筆のきく物ではありません…っ
息子さんの…優人さんのサインでないと」
『~~っ…』
弁護士に止められた母親が
頭を抱えるように目を覆った
「フゥ……篠宮さん…では、それは
橘さんの温情も…すべて
蹴るおつもりという事ですか?」
『そういう事に…なります』
「転居もなさらない、と?」
『いいえ…その誓約書の内容にだけ
同意できないと言いました』
「・・・。では…あなたは
橘さんのご要望に背いて
転居して
遠くはなれても
再び、まりあさんに面会する
その意思があるのですね?」
『・・・』
『ユウト!…いい加減になさいっ!!』
「篠宮さん…それは、許されませんよ」
『俺は・・・』
「あなたに・・・人の家庭を
壊す権利があるのですか?」
痛烈な言葉だった・・・ハズだ
俺にとっては
もっとも重い
なのに…俺は
善悪の判断がどこかに飛んだかのように
わからなくなっていた
矛盾だらけだっただろう・・・
『その誓約書にサインしても…
彼女が幸せになれないからです』
『・・・』
ザワザワ・・・と
人数に対してざわめきを増す部屋の中
『ユウト…!何をバカなこと言ってるの?!』
母親が俺の手から
書類を引ったくった
俺とマリアは・・・俺は
俺は・・・マリアと〃約束〃したんだ
「篠宮さん…どういうおつもりでしょう?」
弁護士が首を傾げて俺を見た
『つもりも何もありません
署名できないと言いました』
『~~っユウト!バカなこと言わないでよっ』
書類を引ったくった母親が
動揺しきってペンに手を伸ばした
「!?お母さんっ…困りますよ!?
代筆のきく物ではありません…っ
息子さんの…優人さんのサインでないと」
『~~っ…』
弁護士に止められた母親が
頭を抱えるように目を覆った
「フゥ……篠宮さん…では、それは
橘さんの温情も…すべて
蹴るおつもりという事ですか?」
『そういう事に…なります』
「転居もなさらない、と?」
『いいえ…その誓約書の内容にだけ
同意できないと言いました』
「・・・。では…あなたは
橘さんのご要望に背いて
転居して
遠くはなれても
再び、まりあさんに面会する
その意思があるのですね?」
『・・・』
『ユウト!…いい加減になさいっ!!』
「篠宮さん…それは、許されませんよ」
『俺は・・・』
「あなたに・・・人の家庭を
壊す権利があるのですか?」
痛烈な言葉だった・・・ハズだ
俺にとっては
もっとも重い
なのに…俺は
善悪の判断がどこかに飛んだかのように
わからなくなっていた
矛盾だらけだっただろう・・・
『その誓約書にサインしても…
彼女が幸せになれないからです』

