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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?

『君は…お母さんが
お気の毒だとは思わないのか・・・』
『・・・』
ヤツの声と言葉に反応して
俺の母親は即座に向き直り
涙を拭うのも間に合わないまま
ひたすら頭を下げていた
『君だって、立派な大人のはずだろう?
誰しも…どこも親は年老いていく一方だ
段々と…親の面倒を見ていくようになっても
おかしくないんだぞ
それを…自分のしたことに責任もとらずに
お母さんに頭を下げさせるなんて
まるで信じられない話だな・・・
君も・・・長男なんだろう?』
『・・・』
コイツの言っている事は
いつも・・・ひとつだけ正しい
俺がどう足掻いても
どうにも覆せない事を
コイツは必ず突いてくる
ハタチなどとうに過ぎて
大人として…社会人として
十分に責任を負っていく年の俺が
自分のしでかした事に
親を巻き込み
苦労して・・・苦労して
やっと幸せになった
自分の母親に
下げなくても良い頭を
下げさせて
泣かせる始末・・・
そればかりは
ヤツの手の内であろうがなかろうが
逃れようのない事実だった
加えて…ヤツがその
〃完璧な良い息子像〃を
やりきれば…さらに
その術中にハマった人間の
援護がとんでくる
まさにデススパイラル・・・
『ちょっと…あなた!!
黙ってないでなんとか言ったらどうなのっ!?』
自分の息子の勇姿に感動・感涙で
せっかく黙っていた
先方の母親が再び参戦してきた
『本当に…申し訳ございません!!』
すかさず、俺の母親が
向きを変えて
深々と頭を下げ直す
『一体どんな教育なさったら
こんな子に育つのかしらっ!?
ご家庭に問題があったんじゃなくて?!』
『申し訳ございません・・・!!』
『母親ならねぇっ!…産んだら
しっかりとした子に育てるのが務めでしょう!
親が親なら子も子だわ!!!
こういうのを〃お里が知れた〃って言うのよ!』
『申し訳・・・ございません・・・っ』
・・・。
理不尽な言われようにも
ひたすら謝り続ける俺の母親
ごめん・・・ごめんな
だけど俺は・・・できねぇんだ
ガタ…
マリアが…立ち上がる
お気の毒だとは思わないのか・・・』
『・・・』
ヤツの声と言葉に反応して
俺の母親は即座に向き直り
涙を拭うのも間に合わないまま
ひたすら頭を下げていた
『君だって、立派な大人のはずだろう?
誰しも…どこも親は年老いていく一方だ
段々と…親の面倒を見ていくようになっても
おかしくないんだぞ
それを…自分のしたことに責任もとらずに
お母さんに頭を下げさせるなんて
まるで信じられない話だな・・・
君も・・・長男なんだろう?』
『・・・』
コイツの言っている事は
いつも・・・ひとつだけ正しい
俺がどう足掻いても
どうにも覆せない事を
コイツは必ず突いてくる
ハタチなどとうに過ぎて
大人として…社会人として
十分に責任を負っていく年の俺が
自分のしでかした事に
親を巻き込み
苦労して・・・苦労して
やっと幸せになった
自分の母親に
下げなくても良い頭を
下げさせて
泣かせる始末・・・
そればかりは
ヤツの手の内であろうがなかろうが
逃れようのない事実だった
加えて…ヤツがその
〃完璧な良い息子像〃を
やりきれば…さらに
その術中にハマった人間の
援護がとんでくる
まさにデススパイラル・・・
『ちょっと…あなた!!
黙ってないでなんとか言ったらどうなのっ!?』
自分の息子の勇姿に感動・感涙で
せっかく黙っていた
先方の母親が再び参戦してきた
『本当に…申し訳ございません!!』
すかさず、俺の母親が
向きを変えて
深々と頭を下げ直す
『一体どんな教育なさったら
こんな子に育つのかしらっ!?
ご家庭に問題があったんじゃなくて?!』
『申し訳ございません・・・!!』
『母親ならねぇっ!…産んだら
しっかりとした子に育てるのが務めでしょう!
親が親なら子も子だわ!!!
こういうのを〃お里が知れた〃って言うのよ!』
『申し訳・・・ございません・・・っ』
・・・。
理不尽な言われようにも
ひたすら謝り続ける俺の母親
ごめん・・・ごめんな
だけど俺は・・・できねぇんだ
ガタ…
マリアが…立ち上がる

